経営 X 人事

モチベーションを高める
「給与」と「キャリア」の考え方

自分のキャリアは
自分で決めさせる

 もう1つの、社員のモチベーションを左右する要素が「キャリア」です。

 第7回で触れたように、「おじさんでなければ偉くなれない」というのはナンセンスです。したがって、ダイバーシティ――多様性を活かすことが重要になります。

 企業は、どんな人でも実力があれば評価されて、チャンスを与えられ、上に上がっていける土壌がなければなりません。

 さらに、社員がやる気を持って働き、活力がある状態を保つためには、個々が「やりたいことができる」ことも大切です。

 例えば、キャリア形成のために重要な仕事を任せようという場合、「こういう理由だからやりなさい」と言うのではなく、「こういう理由で勧めるけど、君はこの仕事どう思う?」と聞き、あくまで社員に決定権を持たせます。

 “自分のキャリアは自分で決める”よう、促すのです。

 人が一番力を発揮するのは、やりたいことをやるときです。

 しかし、多くの日本企業で、人事が人事権を持って、異動を采配しているのではないでしょうか。むろん、人事は、「組織と個人の希望をマッチングしている」と言うでしょうが、私には、人事が大きな人事権を持って、会社の都合で異動を決めているように見えます。

 当社でも、やりたいことがある人が、それを主張し、できる限りやりたい人に任せていくという土壌をつくっていきます。

 「人事をやってみたい」と思う人がいたら、私のところに来て、「人事でこんなことを実現したい」という話をする。そんな当たり前を促進していきます。

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八木洋介

1955年生まれ、京都大学卒業。1980年日本鋼管(NKK、現JFEスチール)に入社。人事などを歴任し、1999年から13年間はGEに勤務。複数のビジネスにおいて日本およびアジアの人事責任者を歴任。2012年4月より現職。著書に金井壽宏氏(神戸大学教授)との共著『戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ』(光文社)がある。


勝つ組織をつくるための戦略人事塾

NKKやGEで人事の要職を歴任し、現在はLIXILグループで執行役および人事の責任者を担う八木洋介氏が、経営に資する「戦略部門としての人事」とは何かを解説する。

「勝つ組織をつくるための戦略人事塾」

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