株式レポート
8月17日 13時42分
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中国株 元安一服と国有企業改革期待で続伸か 中国銀行などの大手企業決算に注目 - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―上海株 大幅続伸 人民元ショックも国有企業改革期待への期待が支援に―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は高安まちまちでした。ハンセン指数は週間で2%余り下落し、2万3,991ポイントで終了しました。一方、上海総合指数は週間で6%近く上昇し、3,965ポイントとなっています。

上海総合指数は、国有企業改革期待で買い先行となったものの、11日の意外な人民元切り下げや主要経済活動指標の悪化などを受けて上昇が一服しました。週後半に人民元大幅切り下げ懸念が後退すると買い戻され、一時節目の4,000ポイントまで回復する場面もみられました。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン

香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

香港市場では、中国中信(CITIC、コングロマリット、0267)が週間で5%超上昇し、ハンセン指数構成銘柄の値上がり率トップとなりました。中国政府が推進する国有企業改革の下、CITIC傘下企業の統合再編や上場企業への資産注入が実施されるとの思惑買いが入ったもようです。また、弱気相場で相対的に強いディフェンシブとされる小売や電力などの銘柄も賑わっています。なかでも、康師傅控股(ティンイー、食品、0322)は週間で5%余り上昇したほか、利豊(リー&ファン、繊維・アパレル、0494)も週間で3%値上がりしました。さらに、騰訊(テンセント・ホールディングス、インターネットソフト、0700)は中間期の決算純利益が市場予想を上回ったことが好感され、堅調に推移しました。

<下落>

聯想集団(レノボ・グループ、コンピュータ・周辺機器、0992)は第1四半期の営業利益が市場予想に届かなかったことが嫌気され、非生産部門の人員3200人の削減計画を発表したにも拘らず、週間で12%急落しました。また、国際原油価格が6年ぶりの安値を付けたことから、昆侖能源(クンルン・エナジー、石油・ガス・消耗燃、0135)が5%超下げました。さらに、11日に始まった人民元の切り下げを受けて海外投資家のリスク回避姿勢の強まりからくる資金流出が懸念される中で、恒隆地産(ハンルン・プロパティーズ、不動産管理・開発、0101)や新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティ、不動産管理・開発、0016)などの不動産株が軒並み軟調に推移しました。

先週発表された主な経済指標

8月10日 固定資産投資(年初来前年比) 7月 +11.2% 市場予想 +11.5%、前回 +11.4%

7月の固定資産投資額は年初来前年比11.2%増と、市場予想の11.5%増を下回りました。内訳をみると、不動産投資が引き続き伸び悩んだほか、鉄道投資も前月から鈍化しました。一方、製造業投資及び建設業投資は小幅に増加しました。

8月10日 鉱工業生産(前年比) 7月 +6.0% 市場予想 +6.6%、前回 +6.8%

7月の鉱工業生産は前年比6.0%増と、前月および市場予想を大幅に下回りました。7月の鉱工業生産の伸びの鈍化は輸出や、投資、消費などの経済成長のモメンタムが依然として力強さに欠けていることを示しています。こうしたなか、政府による追加財政刺激および人民銀(中央銀行)による追加緩和への期待感も更に強まっています。

8月11日 中国人民銀行、日々の人民元為替取引基準値の算出方式を変更

中国人民銀行は11日、日々の人民元為替取引の基準となる基準値の算出方式について、前日の終値、日々の需給及び主要国際通貨の為替変動を反映する方式に変更、より市場実勢を反映しやすいかたちにしました。これと同時に11日の基準値は前日比で約1.9%元安となり、史上最大の基準値下落率となりました。基準値は3営業日連続で下落した後、14日には小幅高(+0.05%)となり、週間では約4.6%の元安となりました。13日には人民銀行副総裁が臨時記者会見を行い、市場実勢と基準値とのかい離の調整が概ね終了したと発言し、市場における更なる大幅元安への懸念を鎮静化させました。IMFはこうした措置を人民元の完全自由化に向けた一歩として評価、歓迎しています。

今後発表される主な経済指標

8月21日 財新(Caixin)中国製造業PMI 8月 市場予想 48.5 前月 47.8

21日発表予定の8月分Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は、48.5と前月からの小幅改善が予想されています。

マーケットビュー
―中国株 元安一服と国有企業改革期待で続伸か 中国銀行などの大手企業決算に注目―

先週は、本土市場では上海総合指数が1週間で5.9%高と大幅続伸しました。国務院が国有企業改革案を承認したと報じられたほか、国有企業改革の一環として親会社の統合観測が出ていた海運株の中海コンテナ(601866)などが重大事項を計画中として取引を停止したことを受け、改革の進展期待で上海総合指数は買い先行となりました。ただ、10日発表の中国主要経済指標が軒並み予想を下回り景気減速懸念が高まったことに加え、11日に中国人民銀行が人民元切り下げに動いたことで資金流出が懸念されたこともあり、一旦上昇が一服しました。ただ、13日の人民銀行の記者会見もあって今後の人民元大幅切り下げ懸念が後退したことから、上海総合指数は持ち直し、週末14日には一時3週間ぶりに4,000ポイント台に乗せる場面もみられました。

香港市場ではハンセン指数が1週間で2.3%安と4週続落しました。中国人民銀行の人民元切り下げを受けた資金流出懸念や経済指標の悪化による中国景気の減速懸念が嫌気された中、ハンセン指数は下落して始まり、節目の2万4,000ポイントを割り込みました。ただ、その後は好調な中間決算を発表した騰訊(テンセント・ホールディングス、0700)や国有企業改革期待による買いが入った中国中信(CITIC、0267)などが下支えとなり、24,000ポイントを挟んで一進一退の展開となりました。

週明けは香港、中国市場ともに下落してスタートしていますが、月曜も人民元基準値が僅かながら続伸し元安一服感が強まる中で、資本流出懸念が後退に向かうとみられ今週は香港市場、中国市場とともにしっかりした推移となりそうです。また、中国証券監督管理委員会(証監会、日本の金融庁に相当)は14日引け後、政府系証券金融会社の中国証券金融が株価対策で買い入れた株式について「今後数年は売却しない」と発表したことも支援材料となりそうです。さらに、中国国有企業の改革進展への期待が高まる中で、上述の中国中信をはじめとする国有改革関連銘柄の物色が続く可能性が高く、引き続き相場の支えとなりそうです。

こうした中、上海総合指数は今週中節目である4,000ポイント上抜けを窺う展開となりそうで、どこまで上昇を拡大できるかがポイントとなりそうです。一方、ハンセン指数は19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を控えて様子見ムードが強まる中、企業決算発表もあって神経質な展開となりそうです。

企業決算発表予定としては、香港市場では19日に中国銀行(バンク・オブ・チャイナ、商業銀行、3988)(予想EPS:0.16元)、20日に中国移動(チャイナ・モバイル、無線通信サービス、0941)(予想EPS:1.73元)及び中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、2318)(予想EPS:1.05元)、21日に中国聯通(チャイナ・ユニコム、各種電気通信サービ、0762)(予想EPS:0.13元)などが予定されており、市場予想に届くかが注目されます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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