株式レポート
8月17日 15時44分
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人民元続落がなければ、米インフレが焦点に - 世界経済のトレンド丸解り!今週の注目レポート

 「部長、おはようございます!」
「槙原君、グッド・モーニング。今週のポイントは?」
「今週は、人民元の大幅下落がなければ、米国のCPIやFOMC議事要旨でしょうか」
「しかし、日銀も昨年10月にサプライズ緩和をやっているし、世界の政策当局の間では市場との対話よりも、サプライズで政策効果を高めるやり方が流行っているようだな。これでは落ち着いて夏休みを取れないではないか!」
「TVドラマ『リスクの神様』で出てくる商社の名前も確かサ○ライズ物産ですね!」
「こりゃ飲まずにいられんな。槙原君、テキーラ・サ○ライズを頼む!」
「部長、ハッピーアワーはまだです!サンセットまで待って下さい!」

詳細は以下をご覧ください。

今週の注目レポート・重要ニュース

【1.米国】

先週の米国市場は、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)が発表した大型買収によってマーケットのセンチメントが改善したことなどを受け上昇しました。ダウ平均は中国人民元の基準値切り下げが発表されると週の半ばにかけて軟調推移となりましたが、今後も大幅な切り下げが継続するとの懸念が後退すると、週末に再び上昇しました。

1-1.米小売売上高

7月の小売売上高は前月から0.6%の増加で市場予想と一致しました。また、前月分がマイナス0.3%からプラスマイナスゼロ%に上方修正されました。GDP算出に用いられる、自動車・ガソリン・建築資材を除いたコア売上高は前月比0.3%の増加と市場予想を下回りましたが、前月分がプラスへ上方修正されました。
7月分の売上高が比較的堅調だったことはもちろん、予想外にマイナスだった前月分がプラスに上方修正されたことは、米国の個人消費が堅調に推移していることを示唆するもので、ポジティブな材料と言えそうです。

1-2.住宅関連指標

今週は17日にNAHB住宅市場指数、18日に住宅着工件数および建設許可件数、20日に中古住宅販売件数と住宅関連指標が多く発表されます。7月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文で「住宅部門はさらなる改善を示した(the housing sector has shown additional improvement)」と記されたように、米国の住宅市場は堅調に回復していると認識されています。そうした傾向が継続しているか各指標の発表が注目されます。

1-3.消費者物価指数(CPI) 前年同月比

19日に消費者物価指数(CPI)が発表されます。市場予想では食品とエネルギーを除いたコア指数が前年同月比1.8%上昇と、前月と同ペースに留まるとみられています。市場予想を上回れば9月利上げ開始の公算が高まる一方、下回れば利上げ開始が12月以降になるのではないかとの思惑が高まる可能性がありそうです。

1-4.米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨

19日に7月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されます。7月のFOMCでは事前の予想通り金融政策の現状維持が決定されましたが、利上げの条件について「もういくぶん労働市場が改善すれば」と、利上げ開始に向けた労働市場改善のハードルが引き下げられたかっこうになりました。金融政策の現状維持は全員一致の決定でしたが、FOMCメンバー間で利上げ開始についてどの程度突っ込んだ議論が展開されたのか注目されます。

【2.欧州】

先週の欧州の主要株価指数は下落しました。ドイツのDAX指数は週間で4%を超える下落となりました。中国がサプライズで人民元を切り下げたことを受け、中国経済への不安が高まり中国依存度が高い輸出企業を中心に大きく売られました。米国の早期利上げ期待が後退し米利回りが低下したことや、ギリシャの第3次支援合意期待の高まりもあって避難通貨としてユーロが買われたようです。週初はユーロ/米ドルは1.10ドルを下回っていましたが、週半ばにかけて徐々に上昇して一時は1.12ドルを上回り、結局1.11ドル程度となりました。

2-1.ZEW独景気期待指数

8月のZEW独景気期待指数は25.0と前月の29.7から悪化し、市場予想の31.9も大きく下回りました。低下は5ヶ月連続であり、ドイツ経済の回復鈍化が懸念されます。

2-2.ユーロ圏四半期実質国内総生産(GDP)

4-6月期のユーロ圏GDP速報値は前年同期比1.2%の増加と市場予想の1.3%の増加を小幅に下回りました。

【3.日本】

先週の日本市場は日経平均が週間で205円安と3週ぶりに反落しました。週初は上昇して始まった日経平均ですが、12日に中国の人民元が2日連続で切り下げられたことがわかると今後も大幅切り下げが継続するのではないかとの懸念が高まり327円の大幅安となりました。人民元の切り下げが続けば中国人の訪日観光客の減少につながるのではないかとの懸念が高まって、いわゆるインバウンド関連株が売られました。ドル/円は人民元切下げ後12日にかけて125.28円の高値をつけた後、翌日には元安を受けた米利上げ期待後退からくる米利回りの大幅低下を受けて124円割れへ急反落しました。但し週末にかけては、元大幅切下げ懸念の後退を受けて米利回りが持ち直したことから再度反発し、124円台半ばと元切下げ開始前の水準まで戻しました。

3-1.景気ウォッチャー調査

7月の景気ウォッチャー調査は51.6と前月の51.0から改善しました。同調査が前月から改善したのは今年の4月以来3ヶ月ぶりで、消費者センチメントの改善が確認されたのは日本経済にとって好材料と言えそうです。

3-2.四半期実質国内総生産(GDP、速報値)

17日に発表された4-6月のGDP速報値は前期比0.4%減、年率換算1.6%減となり、市場予想の1.8%減は上回りました。各項目を見ていくと個人消費が前期比0.8%減と落ち込んだほか、設備投資は0.1%減、公共投資は2.6%増、住宅投資は1.9%増、在庫は0.1%ポイントのプラス寄与となりました。また、輸出は4.4%減、輸入は2.6%減で純輸出の寄与度はマイナス0.3%ポイントでした。景気の低迷を受け、今後は市場で財政政策や日銀の追加金融緩和への期待が高まる可能性がありそうです。

【4.中国】

先週の中国株式市場は高安まちまちでした。ハンセン指数は週間で2%余り下落し、2万3,991ポイントで終了しました。一方、上海総合指数は週間で6%近く上昇し、3,965ポイントとなっています。連日の人民元切り下げや一部の経済指標の悪化などを受けて週の半ばに上昇が一服しましたが、週後半には再び上昇し一時は節目の4,000ポイントを回復する場面もみられました。

4-1. 中国主要経済指標

7月の鉱工業生産は前年比6.0%増と、前月の6.8%増より伸びが鈍化して市場予想の6.6%増を下回りました。7月の鉱工業生産の伸びの鈍化は輸出や、投資、消費などの経済成長のモメンタムが依然として力強さに欠けていることを示しています。また、7月の固定資産投資額は前年比11.2%増と、市場予想の11.5%増を下回りました。内訳をみると、7月の不動産投資が引き続き伸び悩んだほか、鉄道投資も前月から鈍化しました。一方、製造業投資及び建設業投資は小幅増加しました。

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グローバル・マクロ・ビュー(世界経済の基本観)

  1. 日本(前回から変更なし)
    日銀は8月の金融政策決定会合で、最近の輸出や個人消費の鈍化は一時的で、原油安の物価押し下げ効果についても限定的との見方を示しており、目先の追加緩和を示唆していません。17日発表の4-6月期GDPもマイナス成長でしたが想定範囲内で、日銀の景気認識に大きな変化はないとみられます。この間、7月金融経済月報より、インフレ指標としてCPIから生鮮食品だけでなくエネルギーを除いた指標も掲載し始め、インフレ判断が原油価格に左右されにくい体制を構築しつつあるように見受けられます。
  2. 米国(利上げ後ずれリスクが若干高まる)
    7月28-29日に開催されたFOMCでは、労働力の活用不足の度合いについて「いくらか」という表現を削除して単に「縮小した」としたほか、引き締め時期についても、前回声明文では労働市場が「さらに改善する」と確信した場合としていたのを、「さらに幾分改善する」としたことから、9月利上げ開始に更に近づいたと捉えられました。もっとも、11日に中国が人民元切り下げに踏み切ったことを受けて他の主要アジア通貨のつれ安が続き、ドル高地合いとなっているほか、中国景気減速懸念の高まりから原油など資源価格が下落し、インフレ下押し圧力となっています。こうした中、米利上げ開始が後ずれするのではとの懸念もやや高まっています。
  3. 欧州(前回からの変更なし)
    ギリシャ第3次支援協議は8月後半とみられる期限に向けて進展している模様です。ユーロ圏4-6月期GDPは前期から若干減速しましたが今のところECBの景気認識の大幅修正を迫る内容ではなかったとみられます。こうした中、ECBは議事要旨で下振れの場合の追加緩和の可能性を示唆しましたが、現在のところは2016年9月まで予定通り、現在の資産購入プログラムを継続するとみられます。
  4. 新興国(前回から景気減速懸念と追加刺激策期待が若干高まる)
    中国では輸出入、鉱工業生産や固定資産投資などの主要経済指標が軒並み市場予想を下回り景気減速懸念が高まっています。8月11日に人民銀は人民元の切り下げを行いましたが、完全自由化に向けた一歩とみるべきで、切り下げ幅は小幅で他のアジア通貨安もあって景気対策としての効果は非常に限定的とみられます。このため、当局による追加的な財政刺激や金融緩和(利下げ、預金準備率引き下げ)への期待感はむしろ高まったかもしれません。

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