成功の要因を分析する人・しない人に
生まれる大きな違いとは?

「運がよかった」と謙遜する人は成長できない成功の要因を聞かれた時、「運がよかっただけですよ~」と言っていませんか?

 当社が候補者に対して行っている面談では、最近1~2年くらいの間で最も困難だった仕事、あるいは最も大きな成果をあげた仕事について「成功の要因は何ですか」という質問をします。これは「コンピテンシー面談」という手法の一環で、成果を出したときの行動をしっかり聞いて、その人がどんなコンピテンシーを持っているかを探るものです。

 ただ、成功の要因について質問されると、多くの人はこう答えます。

「運がよかったんだと思います」

 おそらく謙遜で言っているのだろうと考え、さらに突っ込んで質問を重ねていくと、その結果はいくつかのパターンに分かれます。

(1)本当に運が良かっただけの人(極めて稀ですが)
(2)成功体験を運で片付けて分析しておらず、成功の要因が特定できていない人
(3)成功体験をきちんと分析して、成功の要因が特定できている人

 まず(1)の人は運以外の答えが出てこなくても仕方がありません。(3)の人は素晴らしい。問題なのは(2)の人です。せっかく成果を出すプロセスを経験できたのに、運の一言で片づけてしまったために分析を放棄し、成功の要因を把握していないのです。ということは同じような状況で、再び確実に成果をあげられるかどうかはわかりません。つまり再現性を獲得できていないということで、実にもったいない。