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おもしろ県民性データブック

【新潟県】辛抱強く黙々と従い 冒険より安定志向

都道府県データ:Vol.34

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第34回】 2010年3月29日
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 学校の社会科では、新潟県を「北陸」の一部としてくくっているが、当の新潟県民は「東北」の一部だと思っているのではないだろうか。それくらい、新潟の県民性は東北地方、それも日本海側の秋田・山形県あたりのそれと酷似しているところがある。ひと言で言うなら、辛抱強さが最大の特徴なのだ。しかも、なにより健気である。

 今でこそ、〝女中さん〟という職業はなきに等しいが、戦前から戦後しばらくの間、東京あたりのお金持ちの家でそうした仕事に就いている女性のほとんどはこの県の出身者であった。また、旅館の仲居さんも、その多くがそうだった。雇い主の意向に黙々と従う気質は確かに、その種の仕事に欠かせないだろう。

 ただ、それは裏を返せば、積極性に欠けるということでもある。自分から仕掛けて行動することが少ないのである。当然、冒険を好まないし、安定志向が強い。逆に、それとは逆のタイプの人が身近にいると、熱烈に憧れるところがある。田中角栄元首相など、そんな県民性があったからこそ、絶大な支持を得たのではないだろうか。

戦前国内でも指折りの人口を誇るも
安定志向が邪魔をして新たな風は起こせず

 新潟県、新潟市は戦前、国内でも指折りの人口を誇っていた。特に新潟市は、幕末に開港された5つの港の1つだったから、情報の入手なども、ほかの地域に比べるとかなり早かったはずである。日本海側の中心都市として発展したのは、ある意味で必然だった。

 だが、持って生まれた安定志向が邪魔をしたのか、この地から新たな風が起こるということは少なかった。それでも、これまで人々の奥底に蓄えられていたエネルギーは、いつしか相当の量に達していたようである。Jリーグでは新潟に本拠を置くアルビレックスが踏ん張っているし、バスケットボールや野球も著しくレベルが向上している。サポーターの応援には、雪も解けよと言わんばかりの熱っぽさがある。

 いまや時代も、言われることを黙って聞いているだけでは生きていけなくなっている。新潟県民の生き方もこれから先、大きく変わっていきそうな予感がするのだが、どうだろう。


◆新潟県データ◆県庁所在地:新潟市/県知事:泉田裕彦/人口:238万2134人(H22年)/面積:1万2584平方キロメートル/農業産出額:2710億円(H19年)/県の木:ユキツバキ/県の花:チューリップ/県の鳥:トキ

データはすべて、記事発表当時のものです

 

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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