いよいよ今週から新しい年度がスタートします。すでに年度計画の構想も固まりつつあり、「こういう成果を出したい」という思いも高まっていることと思います。

 そこで最終回は、不機嫌な職場に陥らないために最も重要なポイントとなる「成果を上げるためにどうやって組織の一体感を作るか」について、考えてみたいと思います。

 言うまでもなく、人は感情の動物です。良し悪しは別にして、マインドに配慮することが成果につながる大きな要素です。

報告会で「部長頑張れ!」の声
部下に応援される上司の人徳とは?

 先日、ある会社で10年後の経営者を育成するための半年間の「経営塾」を開催しましたが、その最終報告会での出来事です。

 ある部長の発表の番が来ると、後方に陣取っていた彼の部下たちが立ち上がって、「部長がんばれ」と大書したボードを掲げて応援を始めました。「のど自慢大会」などでよく見られる、微笑ましい光景です。

 私も長年色々な研修を行なってきましたが、あんなにかわいくて心のこもった応援は、見たことがありません。日頃、部下たちから慕われて、「この部長のためなら・・・」と思われていることがよくわかります。

 こんな部下に恵まれるマネジャーって、うらやましいですね。どうしたらこんな部下たちに恵まれるのでしょうか。やはり最初から、こんな部下ではなかったと思います。上司の日々の行動が、こういう関係を築いていったのでしょう。

 実際に彼から聞いた話を交えて、今回は組織の一体感を作るための具体的なノウハウについてお話ししましょう。大別すると、ポイントは3つです。

 まず、「メンバーに関心を持つ」ことです。それも「全体に対して」注意を向けることです。