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佐藤可士和の打ち合わせ
【第13回】 2015年8月28日
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佐藤可士和 [アートディレクター]

打ち合わせには人数分のコストが
かかっていることを忘れるな

打ち合わせはあまりにも身近で、そこかしこの企業で行われてきました。日本を代表するアートディレクター・クリエイティブディレクターである佐藤可士和氏も、その多忙な生活の多くを打ち合わせで費やしています。そして、たくさんの打ち合わせの経験からいかにそれが大切なものか『佐藤可士和の打ち合わせ』(ダイヤモンド社)で述べています。
打ち合わせは常にイメージを具体化していくという意識がなければいけません。聞く一方、話す一方、ましてやメモだけ取るということはあっていけない。聞きながら話すことの重要性について聞きました!

打ち合わせ中は、
常に「聞きながら考える」

 打ち合わせは「事前にイメージをしてきて、それを出し合う場」です。これは、以前の連載でもお伝えしたとおりです。
 しかし、ただ出し合っているだけでは、いい打ち合わせにはなりません。イメージをぶつける中で、方向性を見出さなければいけない。そのためには、打ち合わせの出席者は、その場でイメージを進化させていかなければいけないからです。

 そのためにも重要になるのが、打ち合わせ中、出席者の声に耳を傾けながらも、ずっと考え続けることです。

 イメージを持っていったとしても、打ち合わせが始まり、いろんな意見を耳にする中で、自分の考えが変わっていくことは少なくありません。聞きながら、新しい自分のイメージを作っていくことができる。
 そしてその場で、そのイメージを声に出して、またまわりの反応をみる。こうした全員の姿勢が、打ち合わせをひとつ前に進めていくのです。

 メモなどを取らず、集中し、まわりの声を聞き、考え続ける。

 その打ち合わせにどのくらい集中していたかを見極められる、いい方法があります。それは、その打ち合わせで最も大事なポイントは何だったのか、を終わった後に書き出してみることです。これこそ、いい打ち合わせにする訓練にもなります。

 経営者などと一対一で打ち合わせをするときも、僕はメモをしたりしません。それよりも、徹底的に集中する。集中を削ぐようなことはしない。そして、考える。一番大事なことは何かを掴もうとすることです。
実のところ、本当に大事なことは、メモを取らなくても忘れたりはしません。数字など、後からわかるようなことは覚えておく必要はない。大事なキーワードだけを頭の中に叩き込んでおけばいいのです。

 経営者の方などとお話しするときは、緊張することもあるかもしれませんが、その緊張を集中力を高めることに活用してみるとよいでしょう。

<POINT>
打ち合わせポイント(47)イメージをぶつけ合う中で、方向性を見出していく
打ち合わせポイント(48)他人のイメージを聞きながらも必死で考える
打ち合わせポイント(49)緊張感を持ちながらも身体はリラックスさせる

打ち合わせは「タイム・イズ・マネー」!
時間厳守の重要性

佐藤可士和(さとうかしわ)
博報堂を経て「SAMURAI」設立。主な仕事に国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループ、セブン-イレブン・ジャパン、今治タオルのブランドクリエイティブディレクション、「カップヌードルミュージアム」「ふじようちえん」のトータルプロデュースなど。毎日デザイン賞、東京ADCグランプリほか多数受賞。慶応義塾大学特別招聘教授、多摩美術大学客員教授。著書にベストセラー『佐藤可士和の超整理術』(日経ビジネス人文庫)他。

 当然のことながら、打ち合わせには「コスト」がかかっています。
 例えば5人で1時間打ち合わせをしたのであれば、5人×1時間の人件費がかかっていることになります。実は大変な額なのです。

 ましてや遅刻をしてくる、などというのは、言語道断です。10人の打ち合わせで5分遅刻してくるのは、たった1人が5分遅刻したのではありません。10人×5分で、50分もの時間をロスしたことになるのです。これが、経営層になったりすると、大変な人件費です。

 これは経営層との打ち合わせに限りませんが、クライアントとの打ち合わせがあるときには、僕は他のスタッフとともに5分前には会議室に入ることを原則としています。となれば、10分前、15分前にはクライアント先に着いておく必要があります。時間にゆとりを持って、打ち合わせを迎える。これは、とても大事なことです。

 あるとき、経営層との打ち合わせに、外部のスタッフが5分前にやってきたことがありました。受付を済ませ、打ち合わせが行われる会議室に通されたときには、すでに社長も専務もずらりと並んでいます。
 こうなったら、「遅れて申し訳ありません」という話から入らないといけない。打ち合わせは試合です。遅れた時点ですでに試合に負けているようなものです。いきなり雰囲気は最悪になるのです。

 たくさんの打ち合わせをしてきて感じるのは、仕事ができる人、忙しい人ほど、早く打ち合わせの場に来ている、ということです。5分前には、ちゃんと会議室にやってきている。
「タイム・イズ・マネー」という言葉がありますが、時間がコストに直結しているということが、よくわかっているのです。逆に遅れてしまうということは、コスト感覚がないと思われても仕方がないでしょう。

 ましてや、無駄な打ち合わせを組んでしまう、同じ話をくどくど打ち合わせ中に繰り返す、などというのは、絶対にやってはいけないことだというのが、「タイム・イズ・マネー」の観点からおわかりいただけるでしょう。
 そして、打ち合わせは本当に必要なものだけにする。少なければ少ないほうがいい。打ち合わせに出席している全員の無駄になるのです。

 もし経営者なら、絶対にそんなことはしないでしょう。無駄なコストだからです。経営者マインドがある人は、打ち合わせを組むにも慎重になる。できるだけ少ない打ち合わせで、最大の効果を出そうとするのです。

 次回は、打ち合わせの時間管理についてさらに掘り下げて考えていきます。終了時間は必ず守っていますか? その場で目標を達成しようという意識で臨んでいますか? 自分の打ち合わせを振り返る機会としていただける情報をお届けします。

<POINT>
打ち合わせポイント(50)10分前を「定時」と思え
打ち合わせポイント(51)人数分のコストがかかっていることを忘れない
打ち合わせポイント(52)打ち合わせの回数は少なければ少ないほどいい
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佐藤可士和(さとうかしわ) [アートディレクター]

博報堂を経て「SAMURAI」設立。主な仕事に国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループ、セブン-イレブン・ジャパン、今治タオルのブランドクリエイティブディレクション、「カップヌードルミュージアム」「ふじようちえん」のトータルプロデュースなど。毎日デザイン賞、東京ADCグランプリほか多数受賞。慶応義塾大学特別招聘教授、多摩美術大学客員教授。著書にベストセラー『佐藤可士和の超整理術』(日経ビジネス人文庫)他。


佐藤可士和の打ち合わせ

 打ち合わせはあまりにも身近で、これまで何の課題ももたれずに、そこかしこの企業で行われてきました。日本を代表するアートディレクター・クリエイティブディレクターである佐藤可士和氏も、その多忙な生活の多くを打ち合わせで費やしてきました。その中で、いかに効果的に打ち合わせをするかが、仕事の肝だと考えるようになったといいます。  拙著「佐藤可士和の打ち合わせ」(ダイヤモンド社)には、その打ち合わせ術が存分に盛り込まれています。今回の連載では、そのエッセンスをお伝えしていきます。  打ち合わせを制する者は仕事を制する! あなたも是非打ち合わせマスターになってください。

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