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「広島平和式典は安っぽい感傷」
呆れた韓国ネット言説を嗤う(下)

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第126回】 2015年8月29日
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 竹島(韓国名・独島)についてもフォーカスアジア、レコードチャイナにはこんなネットユーザーたちの書き込みを紹介している。

 「日本人よ、独島は韓国領土だ」
 「韓国も、日本と国交断絶するとか、何か対策をすべきだ」
 「日本は本当に韓国と断交して武力行使までするつもりか? 私たちは静かに独島を世界に知らせ、ロビー活動をしていくべき」
 「韓国人が騒ぐから日本人たちが面白がる。独島が韓国領ということは明らかな事実なのだから、日本が何を言ってきても気にするな」
 「無理な主張でも言い張れば通る時代。日本海を韓国海に変えよう!」

 竹島の領有権に関して、韓国世界日報が次のような記事を書いた。『日本が自国の裁判官の影響力が大きい国際司法裁判所(ICJ)に、独島問題を渡そうとしている』というタイトルの記事だ。この記事からは、書き手の「思考」が読み取れる。

〈ICJの裁判官は十五人だが、韓国人は一人もいない。一方で、日本は小和田恆裁判官(83)が二〇〇三年から在職している。小和田裁判官は現職では最も在職年数が長く、二〇〇九~二〇一二年には裁判長も務めており、ICJの中では最も影響力の大きい裁判官だ。しかも、皇太子妃の実父でもあり、日本の皇室と不可分の関係にある。日本は小和田裁判官以前にも小田滋裁判官(一九七六~二〇〇三年)、田中耕太郎裁判官(一九六一~一九七〇年)という二人をICJに送り込んでいる。

 一方、韓国は一九四五年の独立後、今に至るまでICJの裁判官は一人も輩出していない。ICJはもちろん、世界の国際法学界の中で、日本と韓国の影響力は比較にならない状態だ。こうした中でICJに竹島問題が持ち込まれた場合、「韓国の主張を貫徹するのは容易ではない」〉

 竹島の領有権を解決するには国際司法裁判所に提訴するのがいちばん手っ取り早い方法だ。竹島は韓国のものか日本のものか、中立な立場の裁判所が判断を下すからだ。問題解決を求め日本政府は国際司法裁判所に提訴したが、韓国はこれを拒否している。後ろめたいものがなければ堂々と裁判で領有権を主張すればいいのに、韓国はそれをしようとしない。何故か? 竹島が韓国領ではないと韓国政府もわかっているからだ。国際司法裁判に応じたら、負けるとわかっているのである。

 それを韓国世界日報は、裁判官に日本人がいるから韓国は不利だ――、と書いた。

 私は、ここに韓国メディアの主張にありがちな気質というか思考が見てとれるような気がした。世界日報の理屈を裏側から覗いて見れば、国際法学会に韓国人を輩出すれば、司法の場では韓国が有利になると言いたいのだ。こんなふうに、問題の本質からズレたところで有利か不利かを算段するのが彼らの気質と言っても、あながち間違いではないようだ。

 アン・ビョンジュンという在外同胞ジャーナル社長のコメントがそれを証明してもいる。

〈独島問題と関連し、国際法専門家の支援が重要だ。特に韓国人の国際法専門家がICJ裁判官に進出し、影響力を持つようにする必要がある〉

 良識やモラル、公平性ともかけ離れたアン社長のコメントには呆れるほかないが、韓国は潘基文(パン・ギムン)国連事務総長からしてこんなことを口にする。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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