なぜ、北中城村に長寿の人が多いのか?

 文部科学省は去る8月25日に、今年4月に行った「平成27年度全国学力・学習状況調査の結果」について発表しましたが、今回は全国平均と下位県の差が縮まり、学力の底上げが進んでいるようです。

 テストの成績のいいのは秋田県、石川県などで、成績が悪いのは長崎県、鹿児島県、沖縄県などでした。

 私の講演会に村長、教育委員会長も出席しておられ、会話をすることができました。

 女性の平均寿命が高い理由はだいたいわかりました。北中城村は坂道が多いのです。よって生活のためには歩かなければなりません。

 北中城村から中城村にかけて、世界遺産(琉球王国のグスク及び関連遺産群)の城跡があります。そこを70歳くらいの女性案内人が案内してくださったのですが、岩でできた5~10mの高さにある城郭の狭くて曲がりくねった道をすたすたと歩かれたのは、驚きでした。

 北中城村は、不幸な運命を背負って生きています。明治になって中城村が生まれました。戦後になって、中間部が米軍基地になり、村が分断され、北中城村が生まれました。

 短い滞在でしたので、北中城村の人たちのエネルギー源が何なのかはわかりませんでした。ホテルでの食堂では、茸類、海藻類、青い表皮の魚がありました。これは推測ですが、これらから3価不飽和脂肪酸(DHAとEPA)を多く摂取しておられるのではないかと思いました。

 これらは、神経細胞とその突起(神経や軸索)の構成分となり、神経情報伝達を助けています。

 そして、加齢で脳の老化が起こって、脳が小さくなるのを、起こりにくくしているのではなかろうか。私は沖縄の地でそう思いながら帰途についたのでした。