傘下の大丸が旗艦店の建て替えを決めたJ.フロント リテイリング。山本良一社長に狙いと成長戦略について聞いた。

J.フロント リテイリング社長 山本良一 <br />百貨店と周辺店舗の活性化で地域と共に成長していくPhoto by Kazutoshi Sumitomo

──大丸心斎橋店の本館建て替えを7月に発表しました。

 数年前から大阪・心斎橋や東京・銀座、上野といった、われわれが店舗を構えるエリアを盛り上げる戦略を立ててきました。心斎橋地区はキタとミナミに挟まれ、エリア間の競争も激しい。心斎橋に新たなにぎわいを創出し、競争力強化のための建て替えです。

 心斎橋は高級ブランド店から飲み屋までそろう楽しさが特徴の街で、巨大な駐車場もあり、空港からバスで訪れる訪日観光客も多い。心斎橋独特の楽しさを生かし、エリアの中核店舗を目指します。

──エリアの競争力強化とは、どのような取り組みでしょうか。

 例えば、百貨店周辺の空き店舗をわれわれが借り、ファッションや雑貨などのブランドを誘致して商店街としての街並みを整えていきます。心斎橋エリアではこのような店が既に22店舗あります。

 また、店舗というハードだけでなく、周辺商店の免税手続きの代行というソフト面での取り組みも9月下旬から始める計画です。

 心斎橋はわれわれのエリアです。百貨店だけでなく、エリア全体を活性化させることで、地域と共に成長していく戦略です。

──どのように改装するのですか。