赤ちゃんは生後2ヵ月ごろ微笑(スマイル)するようになりますが、微笑を始めたら、記憶の訓練を開始するのがよいのです。

 生後4ヵ月の赤ちゃんでも、母親の顔を識別して、前頭前野と大脳皮質後部が働いていますが、赤ちゃんがお母さんの顔を知るそのころに、ワーキングメモリーとして覚えているかは、まだ示されていません。

 赤ちゃんが二足歩行を始めるころには、特別の訓練をしなくても、10秒くらいワーキングメモリーが働くようになっています。

「いない、いない、ばあ」は何回すればいい?

 よく、お母さんほうから、「いない、いない、ばあ」を1日何回くらいすればよいのですか? と聞かれます。

 赤ちゃんがスマイルを示すと、それがお母さんの報酬になり、「側坐核」が働いて快感が発生します。

「ばぁ」のときに、母子ともにニコニコ顔になっているなら、何回してもかまわないのです。
「ばぁ」の時間は、どんどん長くしていけばいいでしょう。

 暗算ができるようになって、算数の問題を解くようになると、後部大脳皮質が大きくなる傾向があり、暗算の能力と数学の能力とは相関しています。

 どちらかというと、数学の能力が低く、数学嫌いな人は、日本では「文化系人間」と言われていますが、私は最新の脳科学データから、幼児期に「暗算」を十分にしなかったためだろうと理解するようになったのです。