株式レポート
8月31日 17時43分
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日経平均は連日での大幅上昇の後で利益確定の売りが出やすいなか中国株安もあり大幅反落 - 市況概況

  1. 概況

    本日の日本市場は反落となりました。先週末の米国市場が高安まちまちで買い材料になりにくく、日経平均が先週末までの3日続伸で1,300円以上上昇した後で利益確定の売りが出やすいなか、中国政府が政府系ファンドによる大規模な株式購入による株価の下支えを止めると伝わったことで中国株への不安が出たことや、寄り付き前に発表となった7月の鉱工業生産が市場の横ばい予想を下回ってマイナスとなったことなどが嫌気され日経平均は大きく下げて始まりました。先週末のCMEの日経平均先物の終値19,170円を大きく下回って129円安の19,006円で寄り付いた日経平均は節目の19,000円を直ぐに割り込み280円安近くまで下げ幅を広げました。売り一巡後に切り返すと19,000円台を回復する場面もありましたが、中国市場で上海総合指数が下落して始まったこともあって上値は重く前場は200円安で取引を終えました。後場は寄り付きから一段安となりました。前場終値を100円近く下回って始まった日経平均は後場寄り後しばらくして390円安近くまで下げました。その後、上海総合指数が下げ幅を縮めたこともあってやや持ち直したものの、日経平均は結局245円安の18,890円と4日ぶりに反落して取引を終えました。一方で新興市場では東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が4日続伸となっています。

  2. 個別銘柄動向等

    時価総額の大きい主力銘柄には下落するものが目立ちました。トヨタ(7203)やメガバンク3行などが下げたほか、国際仲裁裁判所の仲裁判断を受けて独フォルクスワーゲンが保有する19.9%分の自社株を買い戻し、資本提携を解消すると発表したスズキ(7269)も朝方は4%を超えて上昇する場面もありましたが、しばらくしてマイナスに転じると小幅に下げて取引を終えています。一方で中間配当を10円とし前年同期から2円増やすと発表したパナソニック(6752)は高く始まった後マイナスで推移する場面もありましたが、持ち直して小幅上昇となっています。さらに外資系証券が投資判断を引き上げた富士通(6702)や、中国で事業展開を行っていないことから中国の景気減速の影響を受けにくいとの見方から任天堂(7974)が買われました。また、小型株指数がプラスとなるなか、中国の大手旅行会社と組み訪日中国人向けのレストラン予約サービスを始めると伝わった一休(2450)が急伸しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】

8月も本日で終わりとなりました。8月の日経平均は月間で1,700円近く下げ8%を超える下落となりました。明日から9月相場入りとなりますが、9月は12ヵ月のうち日経平均の月別の勝率(月間のパフォーマンスがプラスの場合を勝ち、マイナスを負けとして計算)が唯一5割を切って最も悪い月です。勝率が最も悪い9月を前に大きく調整しただけに今年はこれまでのジンクスに反して健闘を期待したいところです。本日は日経平均が200日移動平均を再び割り込んでしまいました。このため目先は200日移動平均線を明確に回復できるかがポイントとなりそうで、なかなか回復できないようだと二番底を探る展開もありそうです。

(シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

【中国株式市場】
上海総合指数は小幅に反落

  1. 概況

    本日の上海総合指数は26ポイント安(0.8%)の3,205ポイントと小幅に反落しました(年初来で0.9%安の水準)。中国の創業板指数(日本のマザーズ市場に相当)も85ポイント安(4%)の1,996ポイントと節目の2,000ポイントを下回りました。また、香港ハンセン指数は日本時間16時時点で125ポイント高の2万1,624ポイントと上昇して取引されています。

    中国市場は、週末に李克強中国首相が「経済の下振れリスクをヘッジするため、積極的な財政政策と穏健的な金融政策を継続する。(中略)また、合理的に豊かな流動性を保ちながら金融体制改革を推進する」と発言したにも拘らず、最大手の中信証券(600030)の役員4人がインサイダー取引の疑いで刑事強制処分を受けたことが投資家心理の重石となり、上海総合指数は下落して始まりました。利益確定売りが強まる中、明日の中国公式製造業PMIの発表を控えた警戒感もあり、一時120ポイント余り下げる場面もありました。もっとも、引けにかけては9月3日の抗日戦勝記念式典に向けて当局が株価を押し上げるとの期待感から買い優勢となり、節目の3,200ポイントを回復しました。

    香港市場は、ハンセン指数は小幅に上昇してスタートしましたが、週末のフィッシャー米FRB副議長の発言を受けて9月利上げ開始への警戒感がやや強まったことに加え、本土市場の冴えない展開も重石となり、マイナスに転じました。後場には本土市場の反発が好感され、割安感で買いが徐々に入り、先週の終値を挟んで揉み合う展開となりました。日本時間16時時点で、公益事業株と金融事業株も小幅ながら続伸した一方、不動産株指数と商工業株指数は軟調に推移しています。

  2. 個別銘柄動向等

    香港市場では、中国中車(鉄道車両メーカー、1766)が先週金曜引け後発表の1-6月期決算で純利益7%増加したにも拘らず、6%超下落しています。また、特に材料が出たわけではありませんが、中国人寿保険(チャイナライフインシュアランス、保険、2628)や友邦保険控股(AIAグループ、保険、1299)などの保険株が1%下落し、相場を押し下げました。

    一方、先週末の原油価格の大幅反発を受けて中国海洋石油(CNOOC、石油・ガス等、0883)が3%超上昇しています。また、先週大きく下げた中国建設銀行(チャイナ・コンストラクション、商業銀行、0939)や交通銀行(バンク・オブ・コミュニケーション、商業銀行、3328)などの銀行株も小幅ながら反発しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】

明日は、9月3日の抗日戦勝記念式典を控え、中国人民銀行による資金供給や政府による財政出動などが続くとみられる中、本土市場と香港市場は共に反発の展開となりそうです。但し、明日は東京時間10時45分に中国公式製造業PMIの発表も予定されており、どの程度悪化するのかが注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部)

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