世界のマーケティングの
オーソリティが東京に結集

 今年も10月13~14日の2日間にわたって、「WORLD MARKETING SUMMIT JAPAN」が開催されます。

「現代マーケティングの父」と称されるフィリップ・コトラー ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院教授の呼びかけで、ブランディングで有名なケビン・レーン・ケラー タック・スクール・オブ・ビジネス教授、統合型マーケティング(Integrated Marketing Communications:IMC)の権威・ドン・シュルツ ノースウェスタン大学 IMC名誉教授など、そうそうたる世界のマーケティングの第一人者が東京に結集します。

 成熟期を迎えた日本経済の課題を克服し、いかにして、企業と日本社会にさらなるダイナミズムをもたらすかを討議するのがこのイベントの趣旨です。

 大盛況に終わった昨年、私はドン・シュルツ教授と対談させていただく機会をいただき、マーケティングの未来について、多くのヒントを得ることができました。世界のマーケティングの第一人者たちが、今、日本のマーケットをどう見ているのかを知ることは、われわれがこれから進む方向を考える上で非常に有効です。

 私たちの会社にも、「マーケティングがうまくいかない」という相談が企業から寄せられることがよくあります。

 情報環境の変化でマーケティングの課題が複雑化するなか、多くの企業が、従来の広告やPRへの投資に加え、データマネジメントプラットフォーム(Data Management Platform:DMP)などを導入し、ソーシャルメディアやネット広告の活用を始めるなど、さまざまな施策に取り組んでいます。しかし、それらがうまく活用できていないケースが多いのです。

 原因を突き詰めていくと、そもそも「マーケティングをどう捉えているか」という基本的な認識の問題に突き当たります。日本では「マーケティング」という言葉を使う場合、多くは「コミュニケーション(広告・宣伝、集客・販促)の手法やテクニック」を指しています。

 しかし、世界のグローバル企業のCMO(最高マーケティング責任者)やトップブランドのマーケターの間ではもはや、このようなコミュニケーション中心の「狭義のマーケティング」は通用しなくなっています。