経営×ソーシャル
ソーシャルのいま
【第1回】 2015年9月15日
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武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役]

“企業は消費者とつながって当然”という常識への危機感

ソーシャルメディア・マーケティングの第一人者である筆者が『ソーシャルメディア進化論』を出版してから早4年。ソーシャルメディアを取り巻く状況は大きく変化した。一体何が変わり、何が変わっていないのか。当時の状況を振り返りつつ、現在の状況について考察を深めていく。

ソーシャルメディアをつかって、消費者とのつながりを持とうとする企業が急速に増加している

 ソーシャルメディアによって、顧客とのコミュニケーションが容易になった今、企業がソーシャルメディア上に公式アカウントを持つことは、ほとんど常識になっています。『ソーシャルメディア進化論』出版時(2011年)に、1000万人に満たなかったLINEの登録ユーザー数は、今では世界5.6億人を突破する(2014年10月9日「LINEカンファレンス」発表)など、ここ数年間でソーシャルメディアを取り巻く状況は大きく変化しています。

 ここまでソーシャルメディアが一般に浸透し、企業が公式アカウントを持ち、消費者とつながることが日常になると、公式アカウントを持たず、消費者とつながりを持たないことがネガティブになる可能性もあります。今後ますます企業の公式アカウントは増えていくでしょう。

 しかしながら、インターネットの草創期からソーシャルメディアを観察し、企業マーケティングの現場で実践してきた者としては、むやみやたらにソーシャルメディアに取り組むことに対しては警鐘を鳴らさざるをえません。そこで、本連載では、ソーシャルメディアが抱えている本質的な問題点を指摘するとともに、ここからどのような方向に進化させていく必要があるのかについてお話ししていきたいと思います。

人類史上、もっともつながっている私たち

 私たちは人類史上、もっともお互いにつながり合っている時代を生きています。それは、他でもないソーシャルメディアの台頭によるものです。今やインターネットの中核ともいえるソーシャルメディアは、個人のライフスタイルだけでなく、企業のマーケティングにおいても、無視できない存在となっています。

武田 隆(たけだ・たかし) [クオン株式会社 代表取締役]

日本大学芸術学部にてメディア美学者武邑光裕氏に師事。1996年、学生ベンチャーとして起業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。花王、カゴメ、ベネッセなど業界トップの会社から評価を得て、累計300社のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア (矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリン支局、大阪支局開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、第6刷のロングセラーに。JFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」の司会進行役を務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


ソーシャルのいま

ソーシャルメディア・マーケティングの第一人者である筆者が『ソーシャルメディア進化論』を出版してから早4年。ソーシャルメディアを取り巻く状況は大きく変化した。一体何が変わり、何が変わっていないのか。当時の状況を振り返りつつ、現在の状況について考察を深めていく。

「ソーシャルのいま」

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