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楽天球団で「現場介入しまくり」
三木谷氏の耳はロバの耳!?

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第127回】 2015年9月5日
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 『金も出さないし責任も取らないが、口だけは出す(しかも成果は自分のもの!)』と東北楽天ゴールデンイーグルスのオーナー、三木谷浩史氏をこき下ろしたのはジャーナリストの鷲田康さんだ。

 ちなみに鷲田さんはスポーツ報知のご出身です。読売新聞グループのスポーツ紙です。スポーツ報知は『巨人の機関紙』と呼ばれているくらいだから読売グループやジャイアンツのことに詳しいのだけど、三木谷オーナーの傲慢ぶりは巨人の渡辺恒雄最高顧問すら霞んで見えるほどだと鷲田さんは書く。三木谷オーナーの現場介入はナベツネさんもびっくりのレベルなのだそうだ。パ・リーグなのにパないのである。

 楽天の監督は大久保博元氏。試合の先発メンバーを決めるのは監督だが、大久保監督は……、というか、楽天はその先発オーダーを三木谷オーナーにファックス送信するのが決まりなのだそうだ。

 今日はこのメンバーで行きますという報告ならわかるが、驚いたことに、三木谷オーナーはその先発オーダーに赤を入れて返信してくるらしい。監督が決めたオーダーに“ダメ出し”をするのだ。え、え、何で? ちょっと古い。

 大久保監督が決めたオーダーを三木谷オーナーは自分で書き換え、それだけでも信じられないのに、さらに三木谷氏は試合中にも電話をよこし、あの選手を交代させろ、この選手を代打で出せ等々の指示を出すのだそうだ。試合中に、である。選手の二軍降格や二軍選手の昇格もオーナーの一声で決まる。三木谷氏は監督やコーチをまるっきり無視しているのである。

 換言するならば、三木谷オーナーは口出しがお好きなのだ。

 とはいえ、楽天のプロ野球参入元年にあたる二〇〇五年の取材(スポーツ報知)でも『現場介入しまくり、です』と言い放っているから、三木谷さんの口出しはある意味有言実行でもあるのだ。現場はたまったもんじゃないが。球団創設当時のスタッフが振り返った。

 「苦労してやってきたことがオーナーの一言で覆ることがたびたびあった。みんな嫌気がさしてますよ」

 スポーツ報知が報じたところでは、三木谷オーナーの現場介入は星野仙一監督在任時にもひっきりなしだったとのことだ。でも星野さんは楽天を日本一に導いた監督にして中日、阪神でも采配をふるった闘将でもある。「天の声」は頑として受け入れなかったそうだ。当たり前。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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