上位の価格帯を設定する

 私がよく提案するのが、他社の一番高い商品群よりももう少し上位の商品群を敢えて作って、ほかの人とはちょっと違ったものが欲しいと思っている顧客を取り込む戦略です。

 この方法は、他社の価格を基に中心となる商品の価格帯を合わせ、なおかつ上位の商品群をもう少し高めに設定して販売する方法です。

 ブランドの構築に役立つと同時に、「私はほかの人たちとはちょっと違うのよね」と言いたい顧客の購買意欲を刺激して収益性をかなり向上させる効果があります。

 高価格帯の商品を用意すると、およそ2、3割の割合で顧客が上位の商品を購入します。

 顧客の購買心理で、「安いから買う」という以外に、「高いから安心」「自分らしさを買う」という心理があると解説しましたが、こういう顧客の生の反応を見ると、本当に日本の消費の実態はかなり豊かになっていると感じます。

 この方法は、単一の商品やサービスではなく、たくさんの商品群を販売している場合などにはとても有効ですので、ぜひ試してください。