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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

レースに全力投球するトヨタの深謀遠慮

週刊ダイヤモンド編集部
2015年9月8日
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レクサス チーム トムスの「レクサスRC F」
Photo:TOYOTA

 真夏の暑さが少し和らいだ8月31日、三重県・鈴鹿サーキット。ホンダ創業者の本田宗一郎氏が創設し、50年以上の歴史を誇るここレースの聖地に、伊勢清貴・トヨタ自動車専務の姿があった。

 目的は何か。トヨタのモータースポーツ活動を長年現場で支えてきた実力派プライベートチーム「トムス」。そのスポンサーを務めるマレーシアの国営エネルギー企業、ペトロナスの幹部と会うためだ。今年で切れるスポンサー契約の更新について話し合った。

 この日は、日本で最大の人気を誇る自動車レース「スーパーGT」の第5戦決勝日。トムスの36号車「レクサスRC F」は、ここで今季初優勝を飾る快挙を成し遂げた。ペトロナスも契約更新に前向きとなったことだろう。

 それにしても、本社専務が直々にサーキットの現場に足を運び、一プライベートチームのスポンサー交渉に臨むほど、トヨタがモータースポーツに力を注いでいるのはなぜなのか。

 伊勢専務といえば、トヨタの高級車「レクサス」の本部長や技術開発本部長を歴任した人物。豊田章男・トヨタ社長の懐刀としても知られる。トヨタは今年4月、モータースポーツ部を「本部」に格上げし、伊勢専務その人を新本部長に抜擢するほど、レースに再び本腰を入れ始めているのだ。

 その約2カ月前の今年1月末、トヨタは国際自動車連盟(FIA)が主催する最高峰レースの一つ、世界ラリー選手権(WRC)への2017年からの復帰を表明した。日本では一般にはあまり知られていないカテゴリーだが、日本でなじみ深いコンパクトカー「ヤリス」(日本名ヴィッツ)をベースとしたマシンを投入する。

 一般公道を封鎖し、雪道や山道など多彩な路面と天候の下で競うこのラリーで激突するライバル車を眺めると、独フォルクスワーゲン(VW)の「ポロ」、韓国・現代自動車の「i20」……。いずれもトヨタとは世界の市販車市場でぶつかり合う競合ばかりだ。

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