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「SEALDsは利己的」と言った武藤貴也議員の身勝手(上)

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第128回】 2015年9月12日
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 見事な三段オチと言っていいのだろう。武藤貴也衆院議員(滋賀四区)である。

 彼を全国区にしたのは、安全保障関連法案に反対する学生グループに対しツイッター上で呟いたこの一言だ。

 〈SEALDsという学生集団が自由と民主主義のために行動すると言って、国会前でマイクを持ち演説をしてるが、彼ら彼女らの主張は「だって戦争に行きたくないじゃん」という自分中心、極端な利己的考えに基づく。利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、非常に残念だ〉(七月三〇日)

 とはいいながら、SEALDs隊員を名乗る学生もこんな投稿をしているのだ。

 〈もし中国や韓国が攻めこんできたら僕は戦わず領土を明け渡し服従する。それが自衛隊員も死なずに済む手段〉(八月三一日)

 私は、開いた口がふさがらなかった。あくまで一隊員の見解だろうとは思うが、これがSEALDs諸君の「総意」であれば、それこそ「バカか、お前らは」になる。お目出度いやつだな、領土を明け渡し服従するとは。他国の侵略があれば自衛隊員は真っ先に殺され、この学生も私も虐殺されるわボケ、と言いたくなるが、きみは早く中国に行けよ、英雄になれるぞ。本多勝一みたいに。

 という話は措いといて、武藤議員の呟きは安保法案に反対する人たちの大顰蹙を買った。腰抜け野党はここぞとばかりに噛みついたが、与党内からも非難の声は続出し、高村正彦副総裁にまで「オウンゴールはやめてくれ」と言われる始末。

 武藤議員は東京外国語大学から京都大学大学院に進まれた明晰な頭脳をお持ちなのだが、世間を騒がせたやつはメディアに追いかけられる――、というマスコミの習性までは頭がまわらなかったようだ。出る杭は打たれるが、悪目立ちしたやつは暴かれるのである。

 すると、三段オチの二段目が出てきた。武藤議員のLINE上のやり取りである。

 スクープしたのは週刊文春だ。議員は、学生時代からの知人に、こんなLINEを送っていた。

 〈来月新規公開株の取引の話があり、最低でも二倍になると言われています。内々で俺に取引を持ちかけてきているのだけど元手がありません〉(昨年十月二九日、午後二時三十七分)

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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