株式レポート
9月14日 11時26分
マネックス証券

中国株 まちまちな経済指標を受けて神経質な展開か FOMCの政策発表に注目 - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―中国株、反発 冴えない経済指標も政策期待が高まる―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は反発しました。ハンセン指数は週間で3%余り上昇し、2万1504ポイントで終了しました。また、上海総合指数は週間で1%超上昇し、3,200ポイントとなっています。

上海総合指数は、中国経済減速懸念が燻る中、利益確定売りが先行したものの、中国人民銀行による流動性供給や政府による財政出動などが好感され、徐々に買い戻され、週間で3,200ポイントを回復して取引を終えました。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン

香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

香港市場では、先々週に12%超下げた中国中信(CITIC、コングロマリット、0267)は値ごろ感で買いが入り、週間で12%上昇しました。また、香港中華煤気(ホンコン&チャイナ・ガス、ガス、0003)との統合観測が浮上した恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド・デベロップメント、不動産管理・開発、0012)も大きく買われ、週間で6%余り上げました。さらに、金融株も賑わっています。中国工商銀行(商業銀行、1398)や中国建設銀行(チャイナ・コンストラクション、商業銀行、0939)などの銀行株が週間で7%前後上昇したほか、中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、2318)も約7%値上がりしました。

<下落>

原油価格が下落したことから、中国石油天然気(ペトロチャイナ、石油・ガス等、0857)や中国海洋石油(CNOOC、石油・ガス等、0883)などのエネルギー株が大幅に下落しました。また、カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ、ホテル・レストラン、1928)や銀河娯楽(ギャラクシー・エンターテインメント、ホテル・レストラン、0027)なども軟調に推移しました。

先週発表された主な経済指標

9月8日 中国貿易収支 8月 +602.4億ドル 市場予想 +480億ドル、前回 +430.3億ドル
輸出 8月 -5.5% 市場予想 -6.6%、前回 -8.3%
輸入 8月 -13.8% 市場予想 -7.9%、前回 -8.1%

8月の中国の輸出は前年比5.5%の減少と、6.6%減の市場予想を上回ったものの前年比マイナスとなりました。また、8月の輸入は7.9%減を見込んでいた市場予想に届かず、前年比13.8%減と減少率が前月から拡大しました。こうしたなか8月の貿易収支は602.4億ドルの黒字となりました。

輸出については、「中国輸出金額の推移 地域別」のグラフを見ると、欧州向けの輸出(7月の110→8月の114)と日本向けの輸出(7月の117→8月の122)の増加が目立った一方、アジア向けの輸出(7月の204→8月の200)が小幅に減少しました。輸入については、前年比が前月より下げ幅をさらに拡大した原因としては、弱い内需、原材料の価格の低迷と天津市の爆発事故が挙げられます。

9月10日 生産者物価(PPI、前年比) 8月 -5.9% 市場予想 -5.6%、前回 -5.4%

8月のPPI は5.9%減と下落率が前月から更に拡大し、42か月連続でマイナス圏にとどまっています。原油などの原材料価格が下落したことや中国国内需給の低迷などが主な原因だと考えられます。

9月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 8月 +2.0% 市場予想 +1.8%、前回 +1.6%

8月のCPIは前年比2.0%上昇し市場予想を上回りました。内訳をみると、食料を除くCPIが前月から横ばいとなり、食料関連のCPIも大幅に上昇しました。なかでも、豚肉や、野菜、卵などの価格の上昇が目立ちました。

今週の主な経済指標

9月13日 固定資産投資(前年比) 1-8月 +10.9% 市場予想 +11.2%、前回 +11.2%

1~8月の固定資産投資額は前年比10.9%増と、伸び率は1~7月(11.2%増)から鈍化し、2000年通年(9.7%増)以来の低い水準となりました。内訳をみると、8月の不動産投資の減速が引き続き鮮明となったほか、建設業投資の伸び率も前月から鈍化しています。


9月13日 鉱工業生産(前年比) 8月 +6.1% 市場予想 +6.3%、前回 +6.0%

8月の鉱工業生産は前年比6.1%増と、市場予想の6.3%増に届かなかったものの前回の6.0%増より小幅な改善がみられました。中国国内外の需給が依然として弱いのが鈍化し続けてきた理由だと考えられますが、抗日戦勝記念式典のため北京周辺の生産を一時停止した影響もあり、9月の鉱工業生産はリバウンドが期待できそうです。


マーケットビュー
―中国株 まちまちな経済指標を受けて神経質な展開か FOMCの政策発表に注目―

本土市場は上海総合指数が週間で1.3%高と4週ぶりに反発しました。株価下支え観測を背景に上昇していた銀行株や保険株を中心に利益確定売りが膨らみ、上海総合指数は売り先行となったものの、翌8日には節目の3,000ポイントを前に底堅さをみせると中国人民銀行による資金供給が好感され急反発しました。9日も当局の積極的な財政政策を受けて続伸した上海総合指数ですが、10日に弱い物価統計が嫌気され反落すると、週末は13日の経済指標の発表を控えて様子見となりました。

13日に発表された8月の経済指標は、小売売上高こそ市場予想を上回ったものの、固定資産投資や鉱工業生産が市場予想に届きませんでした。そのため今週の上海市場は政策期待の買いが期待される一方で、経済減速を懸念する売りも出やすいといえます。こうしたなかで「場外配資」と呼ばれる信用取引の規制化を背景に投資家心理が依然として弱気に傾いていることもあり、上値は限定的となりそうです。

香港市場ではハンセン指数が8週間ぶりに反発しました。週明け7日は米利上げに対する警戒感から続落し、約2年2カ月ぶりの安値を付けました。しかし、8日と9日は中国政府が公共インフラ投資の拡大で成長を支えるとの観測や、中国財政部が経済成長の目標達成に向けて積極的な財政措置を実施すると表明したことが好感され大きく上昇しました。10日に8月のPPIが市場予想を下回ったことで景気減速懸念が強まって反落すると11日も小幅続落となったものの、ハンセン指数は週間で3.2%高となっています。

先週末の米国市場の上昇を受けて今週のハンセン指数は買い先行でのスタートが予想されますが、16~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとして様子見になりやすいといえます。そうしたなかで今週の香港市場は中国当局の政策や本土市場の動きを睨みながらの展開となりそうです。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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