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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

中国発「レッドマンデー」の深刻度は
1987年ブラックマンデーより重い

高田創・みずほ総研チーフエコノミスト

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第185回】 2015年9月16日
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今回の危機は中国発の「レッドマンデー」
リーマンショックよりは軽微だが……

中国経済への不安と疑念はまだ払拭されていない

 8月24日月曜日の中国発の世界的な株価下落は、多くの欧米メディアでは「ブラックマンデー」として伝えられた。ただし、今回、中国発であるとすれば、むしろ「レッドマンデー」と言ってもいいだろう。

 そもそも「ブラックマンデー」とは今から28年前、1987年10月19日の月曜日に生じた米国発の世界的株安だった。当時、筆者はディーリングルームで直に危機を体験したが、株価ボードで全く値がつかない状態を目の当たりにして茫然としていたことを思い出す。

 1987年ブラックマンデーのあと、各国金融当局が大量の資金を市場に投じる政策協調によって市場は沈静化し、株式市場は比較的早期に改善した。本論の問題意識としては、今回の調整は1987年ブラックマンデーよりも深刻度は重い。何となれば、今回は中国の減速という実体経済不安も含むだけに、1987年ブラックマンデーのように金融市場だけの調整よりも重い可能性がある。

 しかし、そもそも欧米先進国そのもののバランスシート調整によって生じたショック、たとえば2008年のリーマンショックに比べれば、まだ軽微と見るべきだ。今回の世界的株安は、基本的にこれまで生じたリスクマネーの巻き戻し、「金利水没」にまで至る世界的な超金融緩和からの揺り戻しと見るべきだというのが、現段階での認識だ。

 従って、1987年ブラックマンデーの時のように、各国の政策協調に伴う金融緩和の姿勢が次第に明らかになれば、時間をかけつつも再び市場は安定を取り戻すと展望する。ただし、「端境期」として新たな低成長時代への備えも必要だ。

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

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