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チェーンストアエイジThe Interview

田尻 一・サミット代表取締役社長
店長主導型の店舗運営をもう一度やり直し、マーチャンダイジング改革を成し遂げる

消費者が買物の場に求めるものが変わってきた

チェーンストアエイジ
【第16回】 2010年4月13日
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2009年度の国内スーパーマーケット(SM)企業は、内食回帰のフォローの風に乗った08年度から一転、厳しい売上状況が続いている。そうした逆風下でも持続的な企業成長を図るべく、サミット(東京都/田尻一社長)は09年度からマーチャンダイジングの改革を進めてきた。その進捗状況とさらなる改革の道程について聞いた。聞き手/千田直哉(チェーンストアエイジ)

たじり・はじめ 1956年生まれ。79年、日本大学芸術学部卒業。同年、サミットストア(現:サミット)入社。2001年、取締役就任。03年常務取締役、06年専務取締役を経て、07年6月、代表取締役社長就任。

──昨年10月以降、SM各社の売上状況が非常に厳しくなっていますが、サミットの状況はいかがですか?

田尻 当社も今、非常に厳しいですね。いちばんの要因は客単価の下落です。これは、2007~08年度が“商品の値上げ”基調だったものですから、その反動もあって、現在の客単価は06~07年度ぐらいのベースに戻った感じですね。

 08年度がSM業界にとってよすぎた、その揺り戻しが、この09年度で出ているということです。

──確かに08年度の決算発表時に、「09年度は数字が悪くなると思うが、07年度と比べてほしい」と発言していました。

田尻 そうは言っても、世間は対前期比で企業業績を判断するわけですし、実際に09年度の10~12月は対07年度同期比でもよくありません。09年度上期は、ほとんど07年度と同じ水準だったのが、下期から一気に数字が厳しくなりました。すでに申し上げた客単価の下落に加えて、客数も減りだしたことが売上高に響きました。

 これは、想定外でした。客数減の要因としては、不動産市況の激変が挙げられます。マンションを計画していた場所が急に商業施設に変わるなど、09年度は08年度の倍の数の競合店が出店しましたから、その影響が大きかったわけです。

 その不動産市況の変化で、今「嫌だな」と気になっているのが、東京都心にファミリーレストランの撤退跡地がポツンポツンと出てきている点です。売場面積200坪ぐらいの小型のSMが出店しやすい環境ができたわけですから、都心を中心に店舗展開する当社にとっては懸念している事柄のひとつです。

──既存店の客数減はオーバーストアの結果ということですね。

田尻 そう見ています。確かに、一部のお客さまからは、「サミットは高い」という評価をいただいていますが、その評価はマイナス面だけでなく、「高いけどよいわね」「高くても買物していて安らぎが得られるわね」というプラスの評価であったわけです。ところが、09年度下期からは、お客さまの価格に対する意識がより敏感になったという感じがします。

──以前から価格政策について、「相場価格には合わせるが、あえて低価格政策をとることはしない」と明言してきましたが、変化はありますか?

田尻 いいえ、変えていません。今ジタバタする必要はないと考えています。残念ながら、この経済環境はしばらく続くと思っていますから、当面は我慢をするしかなさそうです。ただ、売上が厳しいなりに見えてきたこともあります。それは、価格に敏感になってきている一方で、お客さまは価格だけを求めているのではないということです。お客さまが随分変ってきているなという感じを受けています。

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