いらない情報はデリートしていく

和田 メモをとった時点で記憶できていてもしばらく経ってメモをみてみると、これなんだっけってすっかり忘れていることがあります(笑)。

陰山 それはね、価値がない情報だったということですよ。それは忘れていい情報だし、あまり気にする必要はないと思いますね。

和田 なるほど。陰山先生は、色んなことにすごく凝りますよね。先日お会いしたときは、九谷焼にはまっていらして、かなりお詳しい。何でも深堀りする姿勢は素晴らしいと思います。

陰山 あはは! そうでしたね。つい熱弁してしまいました。

和田 なんというか、現代人は、SNS見たり、テレビやネットのニュース見たり、毎日膨大な量の情報を入れ過ぎですよね。その割に、上澄みの部分だけ拾っている感じであまり頭に記憶できていないように思います。陰山先生はなぜそこまで専門性が高いのですか?

陰山 なんでだろう。今言われて僕も疑問に思いました。単にオタクなだけですから……。ただ、興味があるうちは苦しむほどに調べるのだけど、ある程度満足したらすべてあっさり忘れます。だってもういらない情報でしょう?

和田 そうか、いらない情報はデリートしていかないと。

陰山 そりゃそうですよ。でなきゃ、新しい情報を覚えられないでしょう。

和田 断捨離に似た考え方ですね。情報の整理がすごくじょうずだなと思います。断捨離できずに、頭の中で情報が散らかったままだと、美しいものを感じる心まで失われる気がします。たとえばご自分でお撮りになった写真に感動したり、九谷焼を見て美しいと感じられる陰山先生は心も健全なのだなと。良いお話をありがとうございました。

紙に書くことで情報が脳にインプットされる