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外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣
【第3回】 2015年9月25日
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竹下雄真 [デポルターレクラブ代表]

呼吸を整えて「折れない心」をつくる

日本では、15年以上も年間の自殺者数が3万人を超えるという異常事態が続いている。そのうち、40代や50代の男性が多い。自殺の原因で圧倒的に多いのが、病気の悩み。ウツなどの心の病で思いつめてしまうのだ。
日本は世界で有数の豊かな経済大国で、治安もよく、教育や医療も整っている。しかし、幸福度は46位で先進国では最下位である。働くビジネスマンが心の安らぎを得て幸せになるには何が必要なのか。その答えの一つが、ヨガかもしれない。

ストレスMAXなビジネスマンが壊れている

私の知り合いには、不動産関連会社の経営者の方が何人かいらっしゃいます。最近、その方たちからよく伺うのは、「社員寮の管理は大変だ」という話です。掃除や設備のチェックのために寮に入ると、廊下や風呂場、食堂などの共用スペースがゴミだらけで荒れ放題になっていることは珍しくないといいます。しかも、廊下に排せつ物が落ちていることもあるのだとか。寮なので、ペットを飼っているというわけではありません。

そのうえ、寮で自殺をするケースも最近は増えてきたそうです。それが有名な大企業の寮で起きていることだと聞き、「みんな相当ストレスを抱えているんだろうな」と感じました。

厚生労働省が行った調査では、「現在の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある」にイエスと答えた人は52.3でした(平成25年労働安全衛生調査)。つまり、2人に1人は強いストレスを感じているということです。

ストレスをどう解消し、心を強くするかはすべてのビジネスマンの悩みでしょう。

休日にテニスやサッカーなどのスポーツで仲間と汗を流す。会社が終わってから同僚と飲みに行き、カラオケで歌いまくる。確かに、それらはエネルギーを発散させ、ストレスを解消させる方法です。

しかし、そういう「発散系」でストレスを解消できるのは20代までではないかと思います。30代になったころから、発散系だと却ってエネルギーを消耗するので、続けられなくなる人が増えていきます。

そこで、30代以降のストレスの対処法で勧めたいのが、ヨガです。普通のスポーツが動なら、ヨガは静。ヨガは普通のスポーツのようにエネルギーを外に発散するのではなく、内側に収斂させ、心のエネルギーを増やす効果がある「収斂系」ではないかと考えています。 

ヨガはストレスを緩和する

皆さんは1分間に何回呼吸をしていますか。試しに、休みの日と働いている日の呼吸の回数を30秒間数えて、2倍にしてみてください。成人の場合、1分間に1220回ぐらいの呼吸が正常だといわれています。

おそらく、働いている日の呼吸は、休みの日よりも多くなっていると思います。これはストレスを受けると呼吸数が多くなるからです。もし20回を超えているなら、かなりのストレスがあると考えられます。

ヨガは呼吸を整えることから始まります。ヨガの呼吸法で深く呼吸するうちに、段々気持ちが落ち着いてくるのです。ゆっくり呼吸しようとすると、「あれ、今日は呼吸がなかなか落ち着かないな」と気づくこともあります。すると、「なんでだろう。さっき部下を叱ったからかな」などと原因を探る意識になります。さらに、「じゃあ、これからはああいう場面でどうすればいいのか」と解決策を考えたりもする。

ヨガは心の深いところで自分と対話することで、ストレスを緩和できるのではないかと感じています。

それは実際に医学的なエビデンスとしても裏付けられています。

アメリカでは2000年代初頭から、ハーバード大をはじめとする研究者たちがヨガを検証するようになってきました。たとえば、米デューク大学のムラリ・ドライスワミ医師は、ヨガをすると「すべてのストレスを解消とまではいかないが、さまざまな問題にきちんと対処できる状態までには回復可能」という研究結果を発表しています。同氏のチームはヨガとメンタルヘルスに関する100を超える論文を検証し、そのうち16は実際に効果が期待できると結論づけているのです。 

己に克つための片鼻呼吸法

 ヨガではさまざまな呼吸法がありますが、今回は最もストレスに効果があるといわれている「ナーディ・ショーダナ」をご紹介します。

ナーディとは動脈や静脈のような管状の器官のことで、気の通り道といわれています。ショーダナは浄化という意味なので、ナーディ・ショーダナは気の通り道の浄化という意味です。この呼吸法は「片鼻呼吸法」とも呼ばれています。

ヨガ・スートラでは、呼吸によって気をコントロールすると「心の輝きを覆い隠している煩悩が消える」と述べています。ストレスで心の輝きが消えかけているときこそ、呼吸を意識してみましょう。 

「片鼻呼吸法」

両方の鼻を交互に使って呼吸することで、神経系を落ち着かせるのと同時に、脳の左右のバランスを整えるといわれています。ストレスや不安感を軽減する効果があるので、夜眠る前やストレスを感じた時に、ぜひ試してみてください。

(1)   右手の親指で右の鼻孔を押さえて、左の鼻孔から息を吸い、薬指で左の鼻孔を押さえます。親指を外して右の鼻孔を開き、ゆっくりと吐息します。
(2)   そのまま右の鼻から息を吸い、親指で右の鼻孔をとじ、薬指を外して左の鼻孔を開き、ゆっくりと吐息します。これで1サイクルです。
(3)  このサイクルを3〜5回繰り返したら、普通の呼吸に戻ります。


 

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竹下雄真 [デポルターレクラブ代表]

1979年3月26日神奈川県出身。早稲田大学大学院修了。アメリカシアトルでパーソナルトレーナー研修に参加。帰国後、フリーのパーソナルトレーナーを経て、都内パーソナルトレーニングジムでマネージャーパーソナルトレーナーとして、多くの著名人やスポーツ選手、芸能人の肉体改造に携わる。退社後、大手広告代理店に在籍し、街づくりなどのソーシャルメディアやイベントを担当。その後、独立し株式会社ポジティブを設立。会社経営の傍ら、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科スポーツマネジメントコースでスポーツビジネスを学び、スポーツ修士課程を修了。2011年5月西麻布にプライベートパーソナルトレーニングジム、デポルターレクラブをオープン。2014年よりデポルターレヨガを開始。経営者や外資系ビジネスマン、政治家、プロ野球選手、F1選手も通う人気のプログラムとなっている。


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(取材・構成:大畠利恵 ヨガトレーナー:金井俊希)

「外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣」

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