イケメン社長とタッグを組む

「あ、はるかさんですね。こんばんは、宇佐美です」
「は、初めまして、岩田はるかです。これから頑張らせていただきます」
〈ってか、かっこいい~イケメンじゃん! ちょっとモチベーション上がるし!〉

「まぁ、そう固くならずに。焼肉でも食べながらいろいろ打ち合わせしましょう」
〈いやいや、固くなってる理由が違うしっ〉
「あ、はい、よろしくお願いします」
〈いや~私、マジラッキー! 超好みのタイプだわ~〉

はるかは、どことなくうわの空で宇佐美の話を聞いていた。
〈あ、いかんいかん、しっかりしなきゃ。仕事、仕事!〉
宇佐美はここまでの経緯や会社の沿革、概要などをはるかに話した。

・創業者の父は現在、相談役。宇佐美がK’sから戻って社長になり、それから3店舗出店
・社員数は10名で、全員が男性
・アルバイトを入れると約70名ほどの組織
・会社名は「クリエイフ」といって「クリエイト+ライフ」の造語
・これまで創作焼肉を軸に売ってきた
・今回の外的要因で、売上は昨対80%まで落ちている
・新しく出した店舗の売り上げが上がってきたら様々な外的要因が起き、なかなか軌道に乗せられていない状態

「だいたいこんな感じかな。他に知りたいことある?」
「大丈夫です。何となく理解できました。あとは随時、知りながらやっていきます」
「そっか。で、どう? うちの焼肉。そんなに普通?」
「え? 美味しいですよ」
「いやいや、でも中川社長には『普通』って言ってたんでしょ?」
宇佐美はいたずらっぽく笑いかけた。
〈え? 昌ちゃん、何言ってんのよ。もう……〉

「いえいえ、それはニュアンスがちょっと違って、普通に美味しいということですよ」
はるかは少し詰まりながら、宇佐美の意地悪な質問に答えた。
「まぁいいよ、そのとおりだし。これからどうしようね? どんな方針で行くの?」
「はい、いちおう二つ考えていまして……」
「二つ?」

「ええ、一つは社員の皆さんに今まで以上に頑張ってもらうことです。ここまで苦しくなっている状況なので、ちょっとしたことで一気に業績が上がるということはないと思うんです。だからこそ、皆さんの頑張りできっちりと業績を戻すことが大切なんじゃないかと」
「うんうん、なるほど。もう一つは?」
「はい。そうは言ってもそんなに復活するまでに時間をかけられないわけですから……しっかり現状を分析して売り方を変えていく。つまり、強みと弱みをもっと明確にして、強みがお客さんに伝わるようなメニューに変えていく。その上で、より強いリピートを獲得していこうかと」

「うん、いいね。何だか楽しみになってきた。わくわくするよ。さすが中川社長イチオシのコンサルタントさんだ」
「いえいえ、お恥ずかしい……」
「ま、どちらにしてもしっかりサポートしてね。みんなも期待してるからさ」
「あの、あんまりプレッシャーかかるの辛いんですけど……」
「ははは、大丈夫だよ。今日はしっかり飲み食いして、来週から頑張ろうね」

「はい、ありがとうございます! 今日は飲んじゃっていいですか?」
「もちろん!」

こうしてはるかと宇佐美はしっかりとタッグを組んでやっていくことを約束し、ついに、はるか1人でのミッションへの取り組みが始まった。はるかにとっては宇佐美と会うというのも楽しみの一つになったようだが……。