北関東・東北豪雨で
フレコンバッグから猛毒物が流出!

広瀬 それに加えて、先日の北関東・東北豪雨被害です。危機的な状況は日ごとに増しています。『東京が壊滅する日』で触れた「フレコンバッグ」と呼ばれる除染物を入れる黒い袋ですが、今回の豪雨でそれが大量に川に流出しました。

編集本連載第10回で見た衝撃の「フレコンバッグのドローン空撮」は、すさまじいものでした。みな海岸線にあるのですからね。今、そこにちょっとした津波が来れば……。
 今回の豪雨によって、「除染廃棄物の流出数は439個。9月24日午前11時までに41袋が未回収で、うち36個が回収困難。回収した398袋のうち239袋で中身が流出。ほかに16袋が破損」、環境省の担当者は「草木類が大多数で、事故後4年半が経過しているため、放射線量は低いとみられる。環境への影響は少ないと考えている」(「毎日新聞」)と答えているようですが、本当に大丈夫なのでしょうか?

広瀬 大丈夫なわけはないでしょう。クソ役人の言葉を信じると、トンデモナイことになりますよ。危険物だからフレコンバッグに入れたんですよ。それが流出して、なにが大丈夫だ。
 忘れてはならないのは、「除染」というのはあくまでも「危険物を移動する」という意味であって、危険物そのものは永遠に「消滅」しないということです。

 だから小泉純一郎さんが、「地下水が豊かで、放射性廃棄物の処分ができない国なのに、原発の再稼働など絶対にしてはならん」と叫んでいるのです。
 大きな危険性のある放射性物質を大量に含んだものが、豪雨で川や海に大量に流れ出たわけです。

 土中や、地中の汚染はむしろ日増しに進んでいる。猛毒物のプルトニウムもトリチウムもストロンチウムも、海に大量に出ている。それを魚介類が取り込み、やがて子どもたちが体内に取り込み、それが体内で濃縮を起こし、トテツモナイ癌細胞となって放射線を放つ可能性が大なのです。
 しかし、地元紙をはじめ、いまでは大新聞もテレビもまったくこの危険性を報じない。このことに心から憤りを感じます。

編集 今、広瀬さんが一番コワイと思っているのは何ですか?

広瀬 ズバリ、です。体内に入れる水は、東京都内に住んでいる私自身も、遠くから安全なものを購入し、わが家では水道水は一切使っていません。
 深刻な影響は、東京を含む東日本地域で、これから出てきます。
 特に、女性や小さい赤ちゃんや幼児が先にやられるので、本当に心配です。