“東京壊滅”の「Xデー」はくるか?

編集 東京・調布市でも震度5弱の地震があったり、南米チリ中部沖でマグニチュード8.3の地震が発生したりと、かなり大きめの地震が続いています。チリの地震では100万人以上が避難を余儀なくされたと報道がありました。
 鹿児島県の川内原発が、桜島や霧島の火山灰の直撃を受けたり、中央構造線上にそびえる愛媛県の伊方原発が大地震で大事故を起こした場合、どうなりますか?

広瀬 間違いなく、今度は東京を含む「日本全土」がやられます。梅雨前線や秋雨前線は西から北へ進みますが、原発から出る200種以上の放射性物質は、韓国や中国方面には向かわず、首都圏から北海道までの全域を覆い、フクシマ原発事故レベルではない、救いがたい大惨事をもたらします。

 また、本連載シリーズ第7回で記したとおり、原発から発生する「死の灰」を再処理するはずだった青森県の六ヶ所村は、プールが受け入れ不能の満杯になっていますから、原発のある13の道県は、どこも死の灰であふれかえります。

 核のゴミの処理方法もないまま、戦後70年近く、日本の原発行政は利権の巣窟としてかろうじて成り立ってきましたが、それは張り子の虎だったのです。
 世界的に見ても、フランスの原子力総合企業アレヴァが完全に経営破綻し、東芝の不正会計を招いた巨額の損失は原発が最大の原因であることが大声で論じられるようになり、三菱重工もアメリカの電力会社から1兆円近い損害賠償を請求され、原子力ビジネスの明日は真っ暗闇です。安倍晋三が「史上最悪の内閣総理大臣」というレッテルを嫌うなら、今すぐ原発の再稼働をやめろ! どちらにしろ、この男には、救いがないがね。

編集 子どもたちの世代に、どんな日本を残せるのか、そこから我々大人たちが原点に返って、急いで考える時期ですね。
 3回にわたるインタビューをありがとうございました。
(おわり)