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クラウドという武器を得て
世界市場に再挑戦するサイボウズ

【特集・クラウドと、どう向き合うか(10)】

松岡 功 [ITジャーナリスト]
【第101回】 2015年10月2日
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クラウドコンピューティングは、ICTベンダー自身にも従来の製品販売からサービス提供へと、ビジネスの大きな転換を迫る。今回は、グループウェア国内最大手のサイボウズが目指すクラウドビジネスのビジョンを紹介する。

クラウドサービスが
売り上げの過半を超えてくる

サイボウズの青野慶久 代表取締役社長 Photo:DIAMOND IT & Business

 「2016年には、クラウド事業が全売上高の過半数を占めるようになる」

 こう語るのは、サイボウズの青野慶久社長だ。国内最大手のグループウェアソフトベンダーである同社はここ数年、かつてのパッケージ販売からクラウドサービスへと、ソフト製品の提供形態を大きくシフトさせてきた。

 その結果、全売上高に占めるクラウド事業の比率は、2015年度第2四半期(2015年4-6月)で3割、7月の単月では4割に達し、青野氏が言うように2016年には通年で過半数を占めることがほぼ確実となった。

 同社がクラウド事業に傾注するのは、「クラウドサービスに乗り出せば、ソフトベンダーとしてさらに成長できる」(青野氏)との確信があるからだ。同じソフトベンダーとしてグローバルに事業を展開するマイクロソフトやオラクル、SAPなども同様の事業転換を図っており、もはやソフトベンダーがクラウドサービスに乗り出すのは必然といえる。

 サイボウズがクラウド事業へ本格参入したのは2011年11月。同社の主力製品であるグループウェアをクラウド環境で提供するための自社基盤「cybozu.com」のサービスを開始したのが発端だ。それから4年近くを経て、cybozu.comの契約社数およびユーザーライセンス数は2015年8月末時点で1万1000社および38万人を超えているという。

 このcybozu.com上で提供しているグループウェアSaaS(Software as a Service)の大企業向け「Garoon」および中小企業向け「サイボウズOffice」、メール共有SaaS「メールワイズ」、そして業務アプリケーションを容易に構築できるようにしたPaaS(Platform as a Service)「kintone(キントーン)」が、同社のクラウドサービスである。(下図参照)

サイボウズが提供するクラウドサービス (出典:サイボウズ資料)
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松岡 功 [ITジャーナリスト]

まつおか・いさお ITジャーナリストとして複数のメディアにコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などで記者およびIT系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。


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