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新聞・週刊誌「三面記事」を読み解く

10年連続Bクラスで監督も辞任、
ベイスターズファンの憂鬱

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第131回】 2015年10月3日
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 ようやく秋らしくなってきた。となれば、さんまの季節でもある。

 さんまはやっぱり塩焼きだ。日本では、焼き魚は頭を左に向けて置くのが伝統でありマナーでもあるのだが、さんまの塩焼きを右向きに置いて意気揚々としていたギインさんがいたから大笑い。このギインさんは「右」がお嫌いのはずなのに。右じゃダメなんですか、と言ったかどうかは定かではない。

 さんまに脂がのるころ、プロ野球もいよいよヤマ場を迎えるが、我らが……、もとい、ここは客観的に書かなければならないから大好きとか熱烈とか今年でファン歴四十二年とか一九九八年の日本シリーズは原稿も〆切も全部放り出して観戦に行ったよ翌朝のスポーツ新聞は全紙買いそろえたものさ、といったことは書かないが、横浜DeNAベイスターズが、シルバーウィーク最終日の中日戦で敗れ、他球団に先駆け、早々とクライマックスシリーズ進出の可能性を消滅させた。

 野球をご存じない方に説明すると――、クライマックスシリーズというのは、セ・リーグとパ・リーグともに上位三チームが日本選手権シリーズ出場をかけ、トーナメント方式で戦うプレーオフ制度を言うのですが、Jリーグの2リーグ制と同じくらいヘンテコなルールなんです。

 なぜヘンテコかというと、まず三位と二位のチームが戦い、その勝者が一位のチームに挑み、勝ったほうが日本シリーズに出場できるのですが、過去(二〇一〇年)には、シーズン三位だった千葉ロッテマリーンズがクライマックスシリーズで勝ち上がり、さらに日本シリーズをも制して日本一になったことがあるからです。

 敗者復活の論理と言えばいいのか、みんなにチャンスなゆとり的発想と言えばいいのかはさておき、クライマックスシリーズは日本野球機構のお偉いさんたちが考え抜いた消化試合を減らすための苦肉の策でもありました(消化試合=すでに他チームの優勝が決まるか優勝争いを演じられない下位チームがダラダラと試合日程をこなすこと)。

 早い話が、メジャーリーグのプレーオフ(ワイルドカードゲーム)の真似です。メジャーリーグが「MLB」と略されるので、日本野球機構も最近では「NPB」と略すようになりました。猿真似がとてもお上手です。

 でも不思議です。三位にまで優勝の可能性があるなんて。二位じゃダメなんですか? いいえ、三位でもいーんです。く~ッ。

 という敗者復活制度が日本のプロ野球にはあるのだが、ロッテが前例をつくったこともあり、プロ野球各チームは、優勝を目指すのは無論のこととはいえ、悪くても「クライマックス出場」を目標にするのである。何故か?

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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