成功したいならカネ、人脈、分析は欠かせない!<br /> 「中国EC市場」を目指す全ての日系企業へ――内田信・上海欧貝薩諮詢有限公司(SHO Consulting)董事長(上)と久能克也・上海TU(斉優商務諮詢有限公司)高級顧問(下)。2人とも、生き馬の目を抜く中国ネット市場の成功者だ。

 中国では、EC(イー・コマース)市場もすごいことになっている。

 中国のEC市場は、ここ数年倍々ペースの成長を続けており、2009年の市場規模は約3.5兆円。2013年には14兆円にも達すると言われている。日本のEC市場規模が5兆円と言われているので、「今年は日本を抜くのでは」と言われているくらいだ。

 この勢いを見て、「ネットで中国市場に進出しよう!」と考える日系企業も多いのではないだろうか。

 ネット販売であれば、リアル取引のようにローカルの卸売・小売業者との面倒な交渉も必要ない。しかも中国のネットでもアリペイなどのエスクロー取引も充実しているので、売掛債権回収の心配も少ない。

 しかも、日本に居ながらにして商品を中国に輸出するだけで、中国市場に商圏を広げることができる。そう考えると、中国市場に参入する一番の近道は「ネット販売」のように思える。

 そんな中国EC市場の中でも断トツのトップを走るのが、ジャックマー率いるアリババが経営する「淘宝(タオバオ)」。中国EC市場の9割以上を占めるC2C市場向けの「淘宝網」、B2C向けの「淘宝商城」を擁し、全体の77%に及ぶシェアを「淘宝」が独占している。

 淘宝網(C2C)、淘宝商城(B2C)合計で、ユーザー数1.8億人、出店店舗数215万店、1日のPV10億、1日の取引額82億円を誇る。1万元の保証金と2~5%の売り上げ手数料を払えば出店できる淘宝商城(B2C)には、ユニクロ、P&G、デル、東芝、千趣会、ファイテンなども出店している。出店者も購入者も無料で利用できる淘宝網(C2C)にも、個人や企業が多く出店している。

 最近は、この淘宝網(C2C)、淘宝商城(B2C)への出店を検討する日系企業が日増しに増えているようだ。そこで今回は、中国のインターネット市場で活躍する内田信氏と久能克也氏にご登場いただいた。

 前回お話を聞いたSHO Consulting (上海欧貝薩諮詢有限公司)の内田氏は、自ら淘宝網(C2C)で店舗を運営し、高い評価を得ている。かたや久能克也氏は、上海をベースに日系企業の淘宝出店を支援している上海TU(斉優商務諮詢有限公司)を率いている。お2人に、淘宝および中国のネット販売ビジネスの実情を根掘り葉掘り聞いた。