株式レポート
10月5日 8時39分
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全体として低調な雇用統計 - 米国マーケットの最前線

非農業部門雇用者数(前月差) 9月 +14.2万人 市場予想 +20.1万人 前月 +13.6万人
失業率 9月 5.1% 市場予想 5.1%人 前月 5.1%
U-6失業率 9月 10.0% 前月 10.3% 
平均時給(前年比) 9月 +2.2% 市場予想 +2.4% 前月 +2.2%

■低調だった雇用統計

2日に発表された米国雇用統計は全体として低調な内容だった。まず、非農業部門雇用者数は9月分が前月差14.2万人増と市場予想を大きく下回ったことに加え、8月分が+17.3万人→+13.6万人、7月分が24.5万人→22.3万人と計5.9万人下方修正された。9月の非農業部門雇用者数について、筆者は前月差20万人増程度を予測していたが、大きく下回る結果だった。米国労働市場の回復が進み、改善ペースが緩やかになるのはやむを得ないとは言え、それでも物足りない結果だったと言えるだろう。また、失業率は5.1%で前月から横ばいだった(グラフ参照)。

さらに、今回の統計で注目度が高かった労働者の平均時給も冴えない結果だった。平均時給は25.09ドルで前年比2.2%増と悪い結果ではないものの、市場予想の2.4%の伸びに及ばなかった。平均時給は前月の25.10ドルから1セント減少している(グラフ参照)。将来のインフレ圧力となる同指標の伸びは高まっておらず、労働参加率も悪化傾向を続けていることから、FRBが利上げを急ぐ理由はないと思われる。前回会合から日も浅く、さらに雇用統計が下振れたことで元々可能性の低かった10月のFOMC(連邦公開市場委員会)での利上げの可能性はさらに低くなった。

■堅調だった指標も

では、雇用統計関連指標が総じて悪い内容だったかというとそうではない。例えば、正社員を希望しながらやむを得ずパートタイマーとして働いている人を失業者に含めた広義の失業率U-6失業率は、10.0%と前月の10.3%から0.3%改善した(グラフ参照)。同失業率はイエレンFRB議長が重視すると言われる経済指標、通称イエレンダッシュボードにも含まれている。

また、同じくイエレンダッシュボードに含まれている失業者のなかで27週以上の長期にわたって失業が続いている人の割合は、前月の27.7%から26.6%に改善した。同指標は8月まで2ヵ月連続で悪化していたが、改善に転じた。

このように、全体としては冴えなかった雇用統計のなかでも堅調な改善を見せた指標も散見されており、非農業部門雇用者数などの伸び鈍化をもって、米国の労働市場が鈍化しているという見方は早計だろう。イエレン議長やその他のFRB関係者の発言からすると、依然として12月利上げがメインシナリオであるとみられる。

■株式市場の見通し

上述したように、依然としてFRBは12月利上げをメインシナリオとして考えているとみられる。もし12月利上げが行われなかったとしても、今のところ早晩利上げが行われる状況に変わりはない。9月のFOMCでは中国経済や世界経済の鈍化が米国の物価上昇率に下押し圧力となることが懸念されての、利上げ見送りだった。中国経済の鈍化の程度はいまだ不透明で、抜本的な改善には至っていない。引き続き原油などのコモディティ価格も低調に推移している。

これらの状況からしばらくは米国株が大きく上昇するシナリオは描きにくい。来年以降に向けて中長期的には買える水準であるとの見方に変わりはないが、しばらくダウ平均は16,000~17,000ドルでの推移が続くのではないかと考えている。

■用語解説

雇用統計(米国)米政府による雇用環境を調査した統計。発表される統計のなかでも、失業率(働く意欲がある人口に占める失業者の割合)と非農業部門雇用者数変化(農業従事者を除いた雇用者数の増減)が市場で注目されやすい。通常は月初の金曜日に前月分が公表される。

ISM景況感指数
ISM(Institute for Supply Management 供給管理協会)が発表する景気転換の先行指標である。供給管理協会が企業の担当者にアンケート調査を実施して作成しており、主要経済指標の中ではいち早く発表されることから景気の先行指標として重要視されている。数値が50を上回れば企業の景況感が好転、50を下回れば悪化していることを示す。製造業、非製造業それぞれ別に指標が発表される。

新車販売台数
オートデータ社が毎月月初に前月分を発表する米国の新車販売台数。販売台数は個人消費動向の確認に加えて、関連部品などが多岐にわたり製造業全体に影響をあたえるため注目を集める。

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(マネックス証券)


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