脅しが出たら、ブラック確定!
評価権をちらつかせるパターン

 次の4つの手口は、より悪質な評価権限、承認権限で命令するパターンだ。ここまで来ると、立派な”ブラック企業認定”ができると言える。

手口7 「これができないと評価を下げざるを得ないが、それでもよいですか」と、評価権者であることをちらつかせて、残業を強いる

手口8 「残業の多い方は生産性が低いと見なさざるを得ない」、「自己の健康管理ができるかどうかも評価対象」と、残業管理や健康管理をも、メンバーの自己責任になすりつける

手口9 「みんなが残業しているという状況を考えてください」と、チームの責任にすり替える

手口10 退職を申し出ても、「退職は承認事項です。後任が決まるまで、引き継ぎが終わるまで、退職は承認できません」と、退職させない

 手口7と8は、言葉が丁寧かどうかによらず、評価を下げることを暗にほのめかして、過重労働を強いたり、逆に、残業すると評価を下げるという意味のことを伝えて自宅で業務をさせたりするケースだ。「評価を下げるぞ」という発言はそれだけで、状況や頻度によっては、十分にパワハラ認定される発言だ。

 手口9は、「みんなやっているからやれ」という、連帯の意識を喚起して強要するやり方だ。ある年代以上の日本のビジネスパーソンは、これを言われると弱い。

 こうした手口を駆使する企業ほど、退社申し出をすると、なかなか退社することができない。「後任が決まるまで保留しろ」、「引き継ぎが完了するまで在籍しろ」、「社会人としての責任を全うせよ」、「退社申し出は承認事項なので、承認できない」などと引き止められる。

 しかし、実は、退社できるか否かは企業の承認事項ではなく、社員からの申し出事項、届け出事項である。もちろん円満な退社が、会社と社員の双方にとって望ましいことは言うまでもないが、会社の合意が得られないようであれば、退職届を提出し、引き継ぎを全うしたり、後任不在であれば引き継ぎ書を完備させたりするなどして、提出したとおりの日程で、プロセスを進めればよい。

 評価や承認行為のみによって、全てのメンバーが動くわけではない。マネジメントの一部分である評価行為や承認行為のみを振りかざすだけでは、マネジメントしているとは言えまい。