経営×ソーシャル
ソーシャルのいま
【第2回】 2015年10月13日
著者・コラム紹介 バックナンバー
武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役]

「ステマ」や「サクラ」は本当に有効なのか

ソーシャルメディア・マーケティングの第一人者である筆者が『ソーシャルメディア進化論』出版から4年。ソーシャルメディアを取り巻く状況は大きく変化した。一体何が変わり、何が変わっていないのか。当時の状況を振り返りつつ、現在の状況について考察を深めていく。

2ちゃんねる、食べログ、Yahoo!知恵袋…
「価値観のソーシャルメディア」とは

前回のコラムでは、「拠りどころ」の種類によってソーシャルメディアを2つに大別し、そのうちのひとつ、「現実生活」の交友関係でつながるソーシャルメディアについて、お話ししました。今回は、もうひとつの「価値観」でつながるソーシャルメディアについてお話ししたいと思います。

 価値観でつながるソーシャルメディアでは、地縁や血縁などの現実の交友関係を離れて、趣味嗜好や興味関心でネットワークがつくられます。現実生活の関係に見られるような、継続的で包括的な人間関係を持たなくても、何か一点でもお互いに共通の関心事があれば即座につながることができ、またそこから離れることも自由になります。

 さまざまなテーマのトピックで会話がなされる「2ちゃんねる」や「Yahoo!掲示板」のような電子掲示板は、このタイプのソーシャルメディアです。また、「価格.com」「食べログ」などの消費者によるレビューが集まる比較サイトや、「Yahoo!知恵袋」など、質問者と回答者によって構成されるQ&Aサイトもこの仲間に入ります。加えて、参加者がお互いに協力して狩りをする「モンスターハンター」などのオンラインゲームも、趣味の集まりとしてこの類に入ります。

SNS上に表示される広告は
友人同士の会話に土足で踏み込む行為

 ソーシャルメディアに打たれる広告が、通常にくらべて反応が鈍いということは、すでにご存じかと思います。日本における、一般的なバナー広告のクリック率は0.09%[Global Benchmark Report 2009、Eyeblaster Benchmark Insights、2009]とされていますが、SNSのそれを見てみると、日本より反応が高いといわれるアメリカのケースでさえ、0.004~0.13%と低くなってしまいます。利用者同士の自然な会話の途中に、無関係な企業の広告が唐突に表示されることに対して、消費者の反応は想像以上に冷ややかです。

武田 隆(たけだ・たかし) [クオン株式会社 代表取締役]

日本大学芸術学部にてメディア美学者武邑光裕氏に師事。1996年、学生ベンチャーとして起業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。花王、カゴメ、ベネッセなど業界トップの会社から評価を得て、累計300社のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア (矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリン支局、大阪支局開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、第6刷のロングセラーに。JFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」の司会進行役を務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


ソーシャルのいま

ソーシャルメディア・マーケティングの第一人者である筆者が『ソーシャルメディア進化論』を出版してから早4年。ソーシャルメディアを取り巻く状況は大きく変化した。一体何が変わり、何が変わっていないのか。当時の状況を振り返りつつ、現在の状況について考察を深めていく。

「ソーシャルのいま」

⇒バックナンバー一覧