株式レポート
10月13日 15時9分
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中国株 堅調な展開か 優良貸出債権を担保とする再貸出制度の拡大を好感 - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―中国株大幅上昇 中国製造業PMIの改善や住宅ローンの規制緩和策などを好感―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は大幅に上昇しました。ハンセン指数は週間で4%超上昇し2万2458ポイントで終了し、上海総合指数は週間で4%余り上昇し、3,183ポイントで引けました。

7日までの国慶節の連休明けの上海総合指数は、中国人民銀行(中央銀行)が住宅ローンの規制緩和策を発表したことや、中国の9月分公式製造業PMIの小幅改善などが好感されたほか、10月開催の中国の5中全会での政策期待も高まり、3,100ポイントを回復しました。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン

香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

香港市場では、米エネルギー情報局(EIA)が6日発表した短期エネルギー見通しで9月の米国の原油生産量が前月から減少したことから原油価格が大幅に反発したことが好感され、中国海洋石油(CNOOC、石油・ガス等、0883)が週間で13%上昇したほか、中国石油天然気(ペトロチャイナ、石油・ガス等、0857)や中国石油化工(シノペック、石油・ガス等、0386)なども週間で12%を超える上げとなるなど、エネルギー関連株が軒並み賑わいました。また、国慶節連休中にあたる1-7日にマカオ域内へ入境した中国本土からの観光客が前年同期比で7.1%増加したことが好感され、カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ、ホテル・レストラン、1928)と銀河娯楽(ギャラクシー・エンターテインメント、ホテル・レストラン、0027)共に大きく買われました。更に、中国人民銀行の追加緩和期待の高まりを映じて、中国工商銀行(商業銀行、1398)や中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、2318)などの金融株も週間で9%超値上がりしています。

<下落>

リスクオンムードが強まる中、ディフェンシブとされる華潤創業(チャイナ・リソーシズ、食品・生活必需品小売、0291)は週間で9%超下落しました。また、中国移動(チャイナ・モバイル、無線通信サービス、0941)や中国聯通(チャイナ・ユニコム、各種電気通信サービス、0762)などの通信株が軒並み軟調推移しました。更に、原油高による燃料コスト増が嫌気され、国泰航空(キャセイ・パシフィック・エアウェイ、旅客航空輸送業、0293)は週間で小幅ながらも下落しました。

先週の主な経済指標

特に重要な経済指標発表はありませんでした。

今週の主な経済指標

10月13日 中国貿易収支 9月 603.4億ドル 市場予想 +482.2億ドル、
     前回 +602.4 億ドル
     輸出 9月 -3.7% 市場予想 -6.0%、前回 -5.5%
     輸入 9月 -20.4% 市場予想 -16.0%、前回 -13.8%

9月の中国の輸出は前年比3.7%の減少と、6.0%減の市場予想を上回ったものの前年比マイナスに留まりました。また、9月の輸入は20.4%減を見込んでいた市場予想に届かず、前年比16.0%減と減少率が前月から拡大しました。こうしたなか9月の貿易収支は前月から更に増加し、603.4億ドルの黒字となりました。

輸出については、「中国輸出金額の推移 地域別」のグラフを見ると、米国向けの輸出(8月の154→9月の166)や、欧州向けの輸出(8月の114→9月の124)、アジア向けの輸出(8月の200→9月の214)の増加が目立った一方、日本向けの輸出(8月の122→9月の121)が小幅に減少しました。輸入については、前年比が前月より下げ幅をさらに拡大した原因としては、前年同期の比較的に高いベースや、弱い内需、原材料の価格の低迷などが挙げられます。

10月14日 生産者物価(PPI、前年比) 9月 市場予想 -5.8%、前回 -5.9%

PPIの先行指標である中国製造業PMIの輸入価格指数をみると、前月の47.2から48.1に小幅改善したため、9月のPPI は-5.8%と前月から下げ幅を縮小すると見込まれています。

10月14日 消費者物価指数(CPI、前年比) 9月 市場予想 +1.8%、前回 +2.0%

季節要因で野菜をはじめとする一部食料関連価格が下落したことを受けて、9月のCPIは前年比+1.8%の増加と予想されています。

マーケットビュー
―中国株 堅調な展開か 優良貸出債権を担保とする再貸出制度の拡大を好感―

本土市場では国慶節で先週の上海市場が週後半2日間のみ取引となるなか、上海総合指数は大幅に反発しました。8日には9月30日の引け後に中国人民銀行(中央銀行)が住宅ローンの規制緩和策を発表したことや、10月1日発表の9月の中国製造業PMIが市場予想を小幅に上回ったことなどが好感されたほか、中国・中医科学院の屠氏のノーベル生理学・医学賞受賞を受けて医薬関連株に連想買いが膨らみ、ほぼ全面高の展開となりました。さらに9日は寄り付き直後に利益確定売りに押され一時マイナスに転じる場面がありましたが、今月26日に開催される中国共産党の重要会議である第18期中央委員会第5回全体会議(5中全会)の開催を控え政策期待も根強く続伸となりました。結局、先週の上海総合指数は2日間で4.3%高となっています。また、中国人民銀行は10日、広東省と山東省で導入してきた優良貸出債権を担保とする再貸出制度の試験プログラムを更に上海、天津、遼寧、江蘇等の9省(市)に拡大することを発表しました。これが中国版QE(量的緩和)に相当し、商業銀行に7兆元(約133兆円)を供給した効果があると評価する見方が広がり、週明けの上海総合指数はほぼ全面高の展開となり、一時3,300ポイントを回復する場面もみられました。

今週の上海市場は、中国人民銀行による優良貸出債権を担保とする再貸出制度の拡大が引き続き好感されそうなほか、5中全会での政策期待もあり堅調な展開が続きそうです。こうしたなか国慶節連休の明けから3営業日で7%を超す上昇をみせた上海総合指数が利益確定の売りをこなしてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

香港市場では9月の冴えない米雇用統計を受けて利上げ観測が後退したことが好感され、ハンセン指数は買い先行となりました。その後、利益確定売りに押される場面もありましたが、原油価格の大幅反発やハト派的なFOMC議事要旨に加え、5中全会での政策期待が支援材料となり、週間でハンセン指数は4.4%高の大幅上昇となりました。また、中国人民銀行による優良貸出債権を担保とする再貸出制度の拡大や中国本土市場の続伸を受けて、週明けのハンセン指数も大幅に続伸しています。

先週に4%を超える上昇をみせ、昨日も大きく上げたことから、本日のハンセン指数は売り優勢でのスタートとなりそうです。しかし、米国の早期利上げ懸念が後退したことや原油などコモディティ価格の大幅上昇を受けて市場のセンチメントが改善するなか、5中全会での政策期待や堅調な本土市場が相場の支えとなりそうで下値は限定的とみられます。こうしたなか、前日通信大手3社が出資する中国鉄塔公司に対し、国務院国有資産監督管理委員会傘下の中国国新控股有限責任公司が100億元を投じ株式6%を取得すると伝わったことから、通信株の動向が注目されます。

なお、今週は13日に貿易収支で輸出が市場予想を上回る改善となったものの輸入が前年比下げ幅が更に拡大したことが相場への影響は限定的でしたが、14日に消費者物価指数及び生産者物価指数など重要統計の発表が予定されており、市場予想より悪化した場合は中国人民銀行による一段の追加緩和策への期待が高あるかが注目されます。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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