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経営人材育成は「30歳前後で経営トップの補佐にする」
北城恪太郎・日本IBM相談役(下)

ダイヤモンド・オンライン編集部
【第4回】 2015年10月16日
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多くの企業で経営課題となっている「人材不足」。特に経営人材やグローバル人材の不足は日本企業の競争力低下に直結する恐れもある。日本企業はどのように人材育成を変えていくべきか。また、世界有数のグローバル企業ではどのような人材育成を行っているのか。現在は国際基督教大学(ICU)でグローバル人材育成にも注力する日本IBMの北城恪太郎相談役に聞いた。(聞き手/『週刊ダイヤモンド』論説委員・原 英次郎)

きたしろ・かくたろう 1944年東京生まれ。慶應義塾大学工学部卒業、カルフォルニア大学大学院(バークレー校)修士課程修了。1976年日本IBM入社、93年代表取締役社長、99年会長、2012年から相談役。10年より国際基督教大学理事長も務める。 Photo:Yoshihisa Wada

――今の日本企業にとってグローバル人材は喫緊の経営課題となっています。IBMという外資系企業に長く在籍されている北城さんからご覧になって、日本企業のグローバル化の問題点はどこにあると感じますか。

北城 もはや国内マーケットだけでは成長できないとの思いで多くの日本企業が海外に出ていますが、それだけではなく、日本に海外から来る人が増えています。すると、日本国内で仕事をしている日本人も、海外の人が喜ぶようなビジネスを考えなければいけない。

 グローバル化というのは、必ずしも日本人が海外に行くだけではなく、日本社会そのものが、グローバルに対応できる社会にならないと発展していかないということです。単に英語が話せるとか、そういうことだけでグローバル化とは言えなくなっていますね。

――実際、海外で事業を展開するときに、社内で誰を行かせるかとなると、多くの場合、まず英語が話せる人材から選ばれます。ところが、いざ行かせると、英語はできても経営管理ができないためにうまく行かず、すぐ日本に戻すことになってしまう。ビジネスそのものよりも、現地で経営管理できる人材がいないために、なかなか海外事業が軌道に乗らないというケースは多いようです。

北城 ただ英語が話せればグローバル人材と言えるわけでなく、「仕事」ができないといけないです。「海外の人と仕事ができる」というのは、まず自分の考えを持ち、それを相手に理解してもらえるよう説得できなければならない。コミュニケーションして、相手はどんなことに関心があるのかを理解し、相手が共感できるような話ができて、そして相手が賛同してくれて初めて仕事が一緒にできるわけです。

 海外の人の価値観を理解できることも重要です。特に、宗教や労働慣行は国によってみんな違いますから。相手の考え方を理解しないといけない。

――日本人のコミュニケーション能力は昔とあまり変わっていませんか?

北城 一概には言えないものの、日本人は学生時代にスピーチやプレゼンテーションをあまり訓練されていないので、あまり上手ではありませんね。スピーチは、話す内容も大事だけれども、どう話すかも重要です。プレゼンテーションでは、日本人は英語があまり得意でないので、パワーポイントに文字をいっぱい書きこんじゃうんですよ。本当に理解してほしいものをだけを書かなくてはいけない。そんなに書かれても読めないから。

 だから本来の「自分で的確な判断ができる」とか「先見性がある」とか、日本国内で仕事をするときにも必要な能力に加え、「海外の人と仕事ができる能力を持っている」ことがグローバル人材には必要です。

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