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家を買う!妻とのケンカを乗りこえて

資金援助はありがたいけど…
親はやっぱり「金も出すが、口も出す」

太田三津子 [不動産ジャーナリスト]
【第8回】 2010年4月30日
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なんとモデルルーム見学に「母親つき」!?

 最近、分譲マンションのモデルルームや住宅展示場では「母親つき」カップルが増えている。新婚カップルだけではない。30代、40代の娘と母親という組み合わせも少なくない。

 背景には、2010年、2011年の期間限定で、親から20歳以上の子や孫にひとり1500万円まで(2011年は1000万円まで)非課税で贈与できる住宅減税制度ができたことがある。この制度、夫と妻が双方の実家から1500万円ずつ3000万円もらっても贈与税がかからない。

 世代間の資産移転をスムーズにし、内需拡大・景気浮揚につなげようというのが国の狙い。狙いはどうあれ、金持ちの親を持つ人にとっては実に美味しい制度だ。

 「今まで手が届かなかったようなマンションも射程圏内」と喜ぶラッキーな人も少なくないが、それが原因で夫婦の間がギクシャクするケースもある。ビジネスと同様、「金は出すが、口は出さない」スポンサーはいない。大概の場合、「金も出すが、口も出す」ものである。

仲良し母娘に爪弾きにされる夫

 桑元庸一さん(会社員、37歳)もマイホームを購入する際、妻の舞さん(専業主婦、33歳)の実家から援助を受けた。前述の制度はなかったが、親から財産の前渡しが受けられる相続時精算課税制度の非課税枠を利用して、住宅資金として2500万円を援助してもらった(贈与分は、相続発生時に相続財産と合算されて相続税が計算される)。

 「その見返りというわけでもないのでしょうが、妻の母親から『ぜひ、近くに来てちょうだい。そのほうがお互いになにかと便利で安心だから』といわれ、目黒の実家から徒歩数分の物件に決めたんです」。

 3LDK、5700万円のマンションは通勤や買い物にも便利で住み心地もいい。しかし、中本さんは最近、家に帰るのが憂鬱である。実家の近くに越して来てから、「スピーカー・ザウルス」というあだ名を持つ妻の母親が新居に入り浸りだからだ。

 一昔前に「一卵性母娘」とか「友達母娘」という言葉が流行ったが、舞さんも母親と仲がいい。子育てを終え、暇を持て余していた母親にとって、近くに越してきた娘は格好の話し相手であり、遊び相手。舞さんも育児や料理、家計のやり繰りを手助けしてもらえるうえ、一緒に出かければ贅沢もできる。舞さんの実家依存症はどんどん重くなっていった。

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太田三津子 [不動産ジャーナリスト]

1978年青山学院大学卒。「住宅画報」編集、「住宅新報」記者を経て1995年フリーライターとして独立、専門誌や経済誌を中心に住宅・不動産関係の記事を執筆するかたわら、雑誌や書籍の企画編集、座談会の司会やコーディネーターとしても活躍。共著に『次世代ビルの条件』(鹿島出版会)。日本不動産ジャーナリスト会議会員。


家を買う!妻とのケンカを乗りこえて

マイホームを賢く購入するためのマニュアル本はたくさんあるが、現実はなかなかうまくいかない。マイホーム取得には夫婦の合意が不可欠だからだ。家探しから契約、入居、買い替えの過程で、多くの夫婦が一発即発の危機を体験している。「女房は一体なにを考えているのか」とぼやく男性のために、実例を交えながら夫婦の危機回避の心得を紹介しよう。

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