自治体が抱える
課題解決を

 駅前の再開発により駐車場問題が解決に向かう例は数多くあるが、放置自転車までは手が回らないようだ。そこで同社では、JFEエンジニアリングとの協業で立体駐車場に併設した機械式立体駐輪場(サイクルツリー)の提案も行っている。自転車の出し入れを全自動で行い、入庫操作は数秒、出庫時間は約18秒という早さ。雨の日にも自転車がぬれず盗難の心配もない。建設費についても「現状のままで発生し続ける駐輪対策費を考えれば、サイクルツリーの建設費用は十分ペイできる」という。

防災拠点としての
立体駐車場

 地震や津波にも強い自走式立体駐車場は、防災拠点としての役割も期待されている。秋田大学医学部附属病院では、ドクターヘリが発着できるヘリポートを併設した立体駐車場を建設した。ヘリポートの下層には、防災用備蓄倉庫を設置している。こうした複合事例は今後も増えていきそうだ。

左/立体駐車場と機械式立体駐輪場(赤で囲った部分)、1階店舗の複合施設のイメージパース。右/4階建ての屋上にドクターヘリの発着が可能なヘリポート、3~4階は災害時の備蓄倉庫を設置し、地域医療と基幹災害拠点としての役割を担う

 自走式立体駐車場事業は、顧客のニーズに基づき、最適な立地の選択と設計、安全・環境・防災に配慮した企画の提案から、運営・管理やリース方式による整備まで、広範囲にわたるようになってきた。その全てを行う同社は、各事業の総合力を結集させて立体駐車場事業でもリーディングカンパニーを目指す。