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外資系エリートがすでに始めているヨガの習慣
【第7回】 2015年10月23日
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竹下雄真 [デポルターレクラブ代表]

五郎丸選手のあのポーズはヨガだった!?
誰でも本番に強くなる方法

ラグビーW杯で24年ぶりに勝利を果たした日本チーム。五郎丸歩選手がキック前に行っているお祈りのようなポーズが、にわかに注目を集めている。実は、ヨガをやっている人の間では、「ヨガのポーズと似ている」と話題になっているのだ。あのポーズにはどんな効果があるのだろうか。
(取材・構成:大畠利恵、ヨガトレーナー:金井俊希)

五郎丸選手並みに集中力がつく!? 椅子のポーズ

実際には、五郎丸選手は意識してヨガをやっているわけではないようです。メンタルコーチの荒木香織さんと相談しながら、キック前の一連のルーティンワークを決めたといわれています。

膝を揃えて中腰になって両手を組むあの独特なポーズをしているとき、体の真ん中に力を集中させるイメージを思い浮かべていると、五郎丸選手はインタビューで話していました。

ヨガの「椅子のポーズ」は、五郎丸選手のあのポーズと似ています。これはまさに、体幹を強化して集中力を高めるためのポーズなのです。

椅子のポーズはその名の通り、椅子に座るような姿勢をとります。中腰の姿勢のまましばらくキープするのは難しく、太ももにかなり負荷がかかります。そのため、脚を引き締めて下半身を強化する効果もあるのです。

このポーズは横隔膜がひきあげられるので、横隔膜や心臓を活性化する効果もあるといわれています。同時に肩こりも改善できるので、長時間デスクワークをしている人にはお勧めです。

デスクワークや長時間の会議で眠くなったときや集中力が途切れたとき、ぜひ試してみてください。集中力がぐっと高まっていくのを感じると思います。

ただし、人目があるところでやると「何ふざけてるんだ、集中しろ!」と上司に叱られるかもしれません(笑)。誰もいないところでやるか、椅子からちょっと腰を浮かして、伸びをしているように装ってポーズをとるのなら問題ないでしょう。

1、両足を揃えて立ち、鼻から息を吸いながら両手を上げます。真上に上げる方法もありますが、より負荷をかけるため、斜め上に伸ばします。手は合わせずに、手先までまっすぐ伸ばしましょう。
2、鼻から息を吐きながら腰を落とし、背中をまっすぐにします。このとき、お尻が出すぎないにようすること。目線は手の先に向けましょう。両膝をしっかり締めると、内側に力がかかっていきます。重心が前に行くと膝を痛めてしまうので、足裏に体重を落とすように意識します。
3、中腰の姿勢のまま、ゆっくり鼻から息を吸って吐くを5呼吸分、繰り返します。息を吐きながら、ゆっくり元の姿勢に戻します。

本番に強いタイプになれれば120%の力を発揮できる

集中力は、ビジネスで勝つためには必須の力です。

仕事を効率的に進められるのはもちろんのこと、プレゼンや会議などの勝負の場でも集中力は問われます。普段はどんなに優秀でも、プレゼンや交渉などの本番で結果を出せなければ意味がありません。本番に弱いタイプは、集中力が欠けているのです。

隣の芝は青く見えるという言葉があるように、どうしても人は他人と比べたがるものです。皆さんもつい他人の成果や評価が気になった経験はないでしょうか。他人よりもうまくやろうと思えば思うほど、集中力は乱れます。

また、過去にうまくいかなかった経験から「失敗したらどうしよう」と本番で過度の緊張をしてしまい、自分の能力を発揮できないのも、集中していない証拠です。

実際には、皆さんが考えているほど、個人の実力の差は大きくないでしょう。一流になればなるほど、ほんの少しの差が勝敗を分けているのです。テニスでも、世界ランキング1位の選手が無名の選手に負けることもあります。それは実力の差ではなく、その日は集中力が欠けていたからではないか、と思います。

だからスポーツ選手の間でもヨガは注目されているのかもしれません。

ヨガの本質は集中=瞑想です。呼吸に合わせてさまざまなポーズをとりながら、心と体の調和を図って集中状態をつくっていきます。

アメリカのイリノイ大のNeha Gothe教授は、30人の女子大学生を対象に、ヨガを20分行う人と、ジョギングや踏み台昇降などの有酸素運動を20分行う人とに分けて実験を行いました。そして、身体を動かした後に記憶力や集中力、問題解決力などを測るテストをしてみると、ヨガをおこなった人の方が認識機能はより高かったといいます。

1日たった20分のヨガで集中力を高めることができるのなら、試してみないのはもったいないでしょう。

できるビジネスマンは、「呼吸で勝つ」

どうしても椅子のポーズをできないような状況の場合は、呼吸をするだけで集中力は高まります。

格闘家のヒクソン・グレイシーがお腹をベコッとへこませながら呼吸をしている映像を観たことがある人もいるでしょう。あれは「カパラバディ」という呼吸法です。

通常は床に腰を下ろして、瞑想のポーズで呼吸をするのですが、椅子に座ったままでもできます。両足を広げて両手でムドラ―(親指と人差し指で円をつくる)をつくり、両膝に乗せます。

鼻から大きく息を吸って下腹部を膨らませます。次に、腹筋に力を入れてお腹をへこませながら、「シュッシュッシュッ」と息を吐きます。吸う息は、その反動で自然と肺に空気が入ってくるようにしていきます。慣れてきたら呼吸のペースを上げていったり、回数を増やしていきましょう。

短い呼吸を繰り返すと酸素が体内で入れ換わり、脳まで酸素が行きわたるので、頭がスッキリして集中力が高まります。交感神経が刺激されるので気持ちも鼓舞し、やる気が湧いてくるのです。

交渉で勝ちたいような大事な場面の前に、ぜひ呼吸で集中力を極限まで高めて挑んでみてください。きっと、今までとは違う結果が出せるでしょう。

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竹下雄真 [デポルターレクラブ代表]

1979年3月26日神奈川県出身。早稲田大学大学院修了。アメリカシアトルでパーソナルトレーナー研修に参加。帰国後、フリーのパーソナルトレーナーを経て、都内パーソナルトレーニングジムでマネージャーパーソナルトレーナーとして、多くの著名人やスポーツ選手、芸能人の肉体改造に携わる。退社後、大手広告代理店に在籍し、街づくりなどのソーシャルメディアやイベントを担当。その後、独立し株式会社ポジティブを設立。会社経営の傍ら、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科スポーツマネジメントコースでスポーツビジネスを学び、スポーツ修士課程を修了。2011年5月西麻布にプライベートパーソナルトレーニングジム、デポルターレクラブをオープン。2014年よりデポルターレヨガを開始。経営者や外資系ビジネスマン、政治家、プロ野球選手、F1選手も通う人気のプログラムとなっている。


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