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「南京大虐殺文書」記憶遺産登録の裏に、
国連トップの座をめぐる陰謀説も

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第134回】 2015年10月24日
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 今月十日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産に、中国が申請していた「南京大虐殺文書」が登録された(同時に何故か中国が申請していた「慰安婦関連資料」は却下)。

 南京大虐殺(南京事件)とは、一九三七(昭和一二)年、日本軍が当時の中華民国の首都・南京市を占領した際、約二ヵ月にわたり老若男女を問わず「三〇万人」もの南京市民(便衣兵、捕虜を含む)を無慈悲にも虐殺した――、と中国と朝日新聞・本多勝一記者が主張しているジェノサイドのことだ。

 今回の登録は、レフトを守る一部の人を除き、多くの人が首を傾げただろう。何故なら、レフトを守る一部の人を除き、南京「大虐殺」など無かったことが多くの研究で明らかになっているからだ。

  私は、南京「大虐殺」はなかったと思っているひとりだ。が、日本軍が南京市入りをした際、数字はわからないものの、数千もしくは数万人規模の殺害、殺戮行為はあっただろうとは考えている。そのため、世界記憶遺産に登録されはしたが、中国当局の言う三〇万人もの「大」虐殺は明らかな捏造だと受け止めている。すなわち、南京市における日本軍の悪行愚行は、中国政府がシナリオを作り中国当局に言い含められた本多記者がまき散らした嘘なのだ。朝日新聞社は、韓国の慰安婦問題をでっちあげ、中国の捏造に加担していたのだ。

 言うなれば、今年九月に催された「抗日戦勝記念」軍事パレードと同じだ。

 中華人民共和国は、悲しいかな、日本軍と戦っていない。日本軍と戦ったのは蒋介石率いる国民党軍で、国共合作後の中国共産党は日本軍との戦闘は国民党に任せっ放しで、自らはせっせと党の体制づくりに励んでいた。戦ってもいないくせに「抗日勝利」と叫ぶあたり、ありもしない大虐殺をあったと主張するのと同じだ。

 ちなみに、中国メディア『新華網』が先月報じたところでは、

 「歴史家の王鼎傑氏は、『共産党軍は一日に何十回も、ときには一〇〇回近く日本軍と戦闘になることもあり、日本軍を恐怖に陥れた』と述べ、四六時中日本軍と戦っていたと主張した。

 また、中共中央党史研究室の李忠傑副主任によると、抗日戦争全体で、共産党軍は十二万五〇〇〇回敵軍と戦い、五十二万七〇〇〇人の日本軍を倒したという。それで、共産党軍は敵軍の後方戦場における支柱であったとしている」

 あははは、である。何なんだろうね、後方戦場って? じゃあ、誰が前方戦場にいたのだと訊きたくなる。共産党軍は「後ろ」にいたのだものね。社会主義国の歴史家の話にどれほどの信憑性があるというのか。っつーか、十二万回の戦闘で五十二万人を倒したのなら、一回平均四人ちょっとだ。ゲリラ戦?

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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