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山崎元のマネー経済の歩き方

ゴールドマン事件は何が問題なのか

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第127回】 2010年5月10日
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 本稿執筆時点ではまだ十分な情報がないが、米国の有力(いまや最有力と呼んでもいいだろう)投資銀行、ゴールドマン・サックスがSEC(米証券取引委員会)に証券詐欺の嫌疑で訴追された。

 報道によると、2007年時点でゴールドマンが販売したサブプライム・ローン債権を含む証券化商品の組成に当たって、ヘッジファンドであるポールソン・アンド・カンパニーが組成内容に関与していたのを、ゴールドマンが投資家に開示せずに商品を売っていたことが問題だとされた。当時、ポールソン社は不動産ローン債権を空売りしたいと考えており、ゴールドマンはこれに協力したわけだが、ポールソン社のほうは訴追対象になっていない。現時点では、あくまでも、商品販売における情報開示が問題のようだ。

 ゴールドマンは目下のところ、嫌疑を否定している。常識的には、商品の中身が十分開示されていれば、それを誰が売りたがっていようが、買いたがっていようが、組成・販売会社がその情報を開示する必要はないように思えるが、今回の証券化商品は内容が複雑なので、組成の際のアドバイザーがどんな事情を持った誰であるか、ということは重要情報とされるのかもしれない。法的な白黒はそうとうに微妙であるように思える。

 法的な決着の問題を脇に置いて本件を眺めると、ヘッジファンドが空売りしたいと思っている対象を、証券会社が商品として組成して、投資家に売っているという構図だ。証券会社としては「流動性を供給しているのだ」という建前を言うことができるが、はたして、それで納得していいものか。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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