株式レポート
10月26日 12時52分
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中国株 追加金融緩和を好感し続伸してのスタートか 大手企業決算に注目 - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―中国株 一進一退 冴えない経済指標を受けて追加緩和などの期待が高まる―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は小幅に上昇しました。ハンセン指数は週間で0.4%近く上昇し2万3151ポイントで終了し、上海総合指数は週間で0.6%上昇し、3,412ポイントで引けました。先週の上海総合指数は一進一退となりました。7-9月期のGDP成長率が7%を割り込み売り先行となったほか、利益確定の売りが膨らみ、一時3,300ポイントを下回る場面もありました。ただ、26-29日開催の五中全会での政策期待や、中国人民銀行によるMLFの資金供給などが投資家心理の改善に繋がり、結局3,400ポイントを回復しました。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン

香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

香港市場では、前週に冴えなかった小売株が賑わいました。なかでも、中国蒙牛乳業(チャイナ・メンニウ、食品、2319)が週間4%超上昇したほか、香港中華煤気(ホンコン&チャイナ・ガス、ガス、0003)も週間で3%余り値上がりしました。また、中国人民銀行(中央銀行)が中期貸出制度(MLF)を通じて大手国有銀行など11行を対象に計1055億元(約2兆円)の資金供給を実施したことや、ドラギ総裁のハト派的な発言を受けECBによる追加緩和の可能性の高まったことから、中国人寿保険(チャイナライフインシュアランス、保険、2628)や中国工商銀行(商業銀行、1398)などの金融株も買われています。更に、中国の9月分主要都市住宅価格動向で、39都市が前月比で値上がりし、主要都市を中心に不動産市況が改善していることが示されたことから、恒隆地産(ハンルン・プロパティーズ、不動産管理・開発、0101)をはじめとする不動産株も上昇しました。

<下落>

減益決算を発表した中国聯通(チャイナ・ユニコム、各種電気通信サービス、0762)が週間で約7%下落しました。また、国際原油価格が大きく下落したことから、中国神華能源(チャイナ・シェンファ・エネルギー、石油・ガス等、1088)が週間で4%超下落したほか、中国石油天然気(ペトロチャイナ、石油・ガス等、0857)や中国海洋石油(CNOOC、石油・ガス等、0883)なども大きく売られました。

先週発表された主な経済指標

10月19日 固定資産投資(前年比) 1-9月 +10.3% 市場予想 +10.8%、前回 +10.9%

1~9月の固定資産投資額は前年比10.3%増と、伸び率は1~8月(10.9%増)から鈍化し、2000年通年(9.7%増)以来の低い水準となりました。内訳をみると、9月の不動産投資の減速が引き続き鮮明となった一方、建設業投資の伸び率は前月から増加しています。

10月19日 鉱工業生産(前年比) 9月 +5.7% 市場予想 +6.0%、前回 +6.1%

9月の鉱工業生産は前年比5.7%増と、市場予想の6.0%増に届かなかったほか、前回の6.1%増より増加率が鈍化しました。

10月19日 国内総生産(前年比) 3Q +6.9% 市場予想 +6.8%、前回 +7.0%

7-9月期の国内総生産(GDP)は前年比6.9%増と、4-6月期のGDP成長率と比べて小幅に鈍化したものの、6.8%増とみていた市場予想を小幅に上回りました。内訳を見ると、先進国の緩やかな景気回復を受けて輸出が堅調であり、小売売上高の好調も全体の追い風となったものの、固定資産投資と工業生産高はともに一段と鈍化していることから、基礎的な経済が依然として脆弱である側面を示している一方、構造転換が徐々に進んでいる傾向がみえます。また、4-6月期の国内総生産(GDP)での伸びが最も目立った金融業ですが、中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC、日本の金融庁に相当)による信用取引の監督強化を受けて伸び悩んだこともGDP「破七」(7%振れ)の要因の一つだと考えられます。

こうしたなか、9月分の輸入や物価指数、鉱工業生産などの低迷を受けて、23日に発表された利下げや預金準備率の引き下げに加えて第4四半期に再度の追加緩和やインフラ投資をはじめとする財政出動などを行う可能性が高まりそうなほか、9月末に発表された新エネルギー車の購入・走行制限の撤廃、住宅ローンの規制緩和策、10月中上旬に発表された優良貸出債権を担保とする再貸出制度の拡大、農村地域の通信網の整備等のすでに実施した措置が経済成長の一定の下支えとなり、10-12月期のGDP成長率は7-9月に比べて高まる可能性が高いとみられます。

今後発表される主な経済指標

特に重要な指標発表はありません

マーケットビュー
―中国株 追加金融緩和を好感し続伸してのスタートか 大手企業決算に注目―

先週の本土市場は上海総合指数が小幅に続伸しました。週明けに発表された7-9月期GDP成長率が前年比6.9%増と市場予想を上回ったものの6年半ぶりに7%の成長率を割り込んだことを受けて、上海総合指数は売り先行となりました。20日は26-29日の党中央委員会第5回全体会議(五中全会)を控えて政策期待から買い戻しが入り反発しましたが、21日は利益確定の売りがかさみ大きく下落しました。しかし、21日引け後に中国人民銀行(中央銀行)が中期貸出制度(MLF)を通じて大手国有銀行など11行を対象に計1055億元(約2兆円)の資金供給を実施したことや、習近平国家主席の訪英で計400億ポンド(約7.4兆円)の投資・経済案件につき合意したことなどが好感され、週後半に大きく上昇し上海総合指数は週間で0.6%上昇しています。

今週の本土市場は続伸してのスタートとなりそうです。中国人民銀行(中央銀行)が23日引け後に、24日から銀行の貸し出しと預金の基準金利を0.25%下げると同時に、市中銀行から強制的に預かる資金の比率である預金準備率を0.5%引き下げるとの追加金融緩和を決めたことが好感されそうなほか、五中全会を控えて政策期待も引き続き支援材料となりそうです。上海総合指数が先週までの三週間で350ポイント超上昇し利益確定売りが出やすいなか、75日移動平均線(23日時点で3,497ポイント)や、節目の3,500ポイントを上海総合指数が回復できるかポイントとなりそうです。

先週の香港市場でハンセン指数は4週続伸となり週間で0.4%上昇しました。週初の19日は中国の経済指標が強弱入り混じる結果となるなか小幅に上昇しましたが、20日は21日の重陽節の休暇を控えて積極的にポジションを取る動きが乏しく反落となりました。休場明けの22日も続落となりましたが、23日はドラギECB総裁が12月にも追加金融緩和を行う可能性を示唆して欧米株が大きく上昇したことから大幅反発となっています。

中国人民銀行による追加金融緩和の実施、26-29日開催の五中全会を控えて政策期待の強まりなどを背景に投資家心理が改善しており、今週の香港市場は続伸してのスタートとなりそうです。但し、ハンセン指数は四週間で2,000ポイント近くも上昇してきただけに、利益確定売りに押される可能性には注意が必要です。

なお、今週の香港市場では企業決算が本格化します。26日に中国海外発展(チャイナ・オーバーシ-ズランド、不動産管理・開発、0688)や百麗国際控股(ベル・インターナショナル・ホールディングス、繊維・アパレル、1880)などが、28日に中国人寿保険(チャイナライフインシュアランス、保険、2628)などが、29日に中国石油天然気(ペトロチャイナ、石油・ガス等、0857)や中国石油化工(シノペック、石油・ガス等、0386)などが、そして30日に中国工商銀行(商業銀行、1398)や金沙中国(サンズ・チャイナ、ホテル・レストラン、1928)などが決算を発表する予定です。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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