論理思考で「4Pの成り立ち」を考える

では、「マーケティングの4P」についてWHY?を設定するとなると、どうなるだろうか? 以下は僕なりに成り立ちを考えてみた結果である。

まず、マーケティングの目的は「顧客の費用対効果を高めること」だと考えられる。
これを最大化するには、2つの方法がある。すなわち、価値(パフォーマンス)を高めるか、費用(コスト)を下げるかのいずれかである。
価値には、機能的な価値と情緒的な価値の2種類がある。コストにも2種類があり、金銭的なコスト(モノ・カネ)と労働コスト(ヒト)である。

このように理解すると、それぞれが4つのPに対応していることが見えてくる。

「”WHY?”をもっと!」情報の鵜呑みを防ぐ方法

よって、マーケティングの4PはMECEな分け方になっていると言えそうだ。
また、このように成り立ちから理解していれば、それぞれの項目をさらに分解していく過程で、「パッケージ(Packaging)」という視点は漏れることがない。したがって、僕なりの理解で言えば、わざわざ「Packaging」を含めた「5P」にする必要はないのだということになる。

ビジネスのフレームワークなどを学ぶときには、ぜひWHY?と考えてみるようにしよう。このステップがあると、フレームの項目それぞれに対する理解が深まり、それをさらに分解していくときの助けにもなるはずだ。

なお、ただWHY?と問いかけても、あまりにも漠然としていると感じるときには、ほかの疑問詞と組み合わせてみると、手がかりが見つかりやすいときがある。

・ WHY? × WHEN?(なぜそのときなのか?)
・ WHY? × WHO?(なぜその人なのか?)
・ WHY? × WHERE?(なぜその場所なのか?)
・ WHY? × HOW?(なぜそうするのか?)

一度学んでしまった知識について、もう一度「WHY?」を差し込むチャンスを得たければ、それを他人に教えるという方法も検討するといいだろう。というよりも、「なぜ?」と問うこと自体が、「他人の視点」に立つということである。
一度飲み込んでしまった瞬間、その知識は自分そのものになる。だからこそ、他人に説明することで、もう一度、この知識の成り立ちを検討し直す機会を得るというのも、考え方としては合理的である。