株式レポート
10月29日 11時13分
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年内残り2カ月 米国株は史上最高値、日本株は年初来高値を再び目指す展開へ - ストラテジーレポート

最近レポート更新の頻度が低いのでは?というご指摘をいただくことが多い。確かに、あまり書いていないが、それには理由がある。書くことがないのだ。なぜなら、すでに相場の要点は述べてしまっていて、そこから見通しをまったく変えていない。変える必要がない。なぜなら、すべて僕のヨミ通りに動いているからである。

米連邦準備理事会(FRB)は28日に終了した米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送った。それはほぼ市場の予想通り。しかし、市場にサプライズを与えたのは、終了後に公表した声明で、12月の会合について利上げの選択肢として明確に言及した点と、前回の声明文にあった世界経済・金融市場の不安定が米景気に与える影響やインフレ抑制につながるという懸念の文言を外した点であった。

その点は僕にとってはサプライズでもなんでもなく、極めて当然の判断だと映った。FRBの年内利上げの可能性は高いと見ていたし(その理由はこちら⇒「ようやく底打ち確認 市場の誤謬性について」)、世界経済・金融市場の不安定が米景気に与える影響やインフレ抑制につながるという懸念の文言を外したことについては、「当然だろう」という気持ちである。こんなことを言うと、「中国景気の減速が続いているのに、何を楽観的なことを言うのだ!」と怒るひとが必ずいる。もう一度、9月18日付「FOMCの決定を受けた株式市場の反応について」というレポートの主張を読んでほしい。少し長いが、以下に再掲しよう。

<今回、FRBが利上げ見送りを決めた背景として、世界景気の減速を指摘する声があるが、その点に過度に拘泥すると相場のシナリオを誤るリスクがある。確かにイエレン議長は記者会見で、海外情勢の見通しに触れ「中国やその他の新興国の成長をめぐる懸念が出ていることで、金融市場のボラティリティーが著しく高まった」と発言した。
しかし、議長はあくまで「懸念」と言っており、中国景気が減速していること自体には触れていない。それよりも、そうした「懸念」によって株安、ドル高などが進んだことが最終的に米国経済、特にインフレにどのような影響を与えるのかという点を注視していると述べている。これは以前のレポートで紹介したジョージ・ソロスの「再帰性理論」だ。市場の変動がファンダメンタルズそのものにも影響を与えかねないフィードバック・ループである。
イエレン議長の発言は、中国景気が減速を続けたとしても、それを所与のものと織り込んで市場が安定すれば利上げの条件が整うとも読める。中国景気が減速しているのは間違いないが、それは今に始まったことではなく既定路線であり、直近に減速感が一段と強まったという確固たる証拠もない。現状はまだ「懸念」が「市場」を揺らしているだけで、その影響はファンダメンタルズに及んでいない。ここからは拡大解釈かもしれないが、イエレン議長ほどの方になると市場を見る目も冷静なのだろう、おそらく(大変僭越ですが)僕と同じように、この相場は「センチメント(市場心理)」だけで揺れ動いていると捉えていると思われる。
問題は、市場とFRBが「いたちごっこ」の袋小路にはまっていることだ。市場はFRBの金融政策が不透明なことで安定性を欠いているが、FRBは市場が不安定だからこそ利上げに踏み切れないでいる。どちらかが先に、この悪循環を断ち切る必要がある。
僕は市場が落ち着くほうが先ではないかと思う。>(9月18日付「FOMCの決定を受けた株式市場の反応について」)

要するに、FRBが気にしていたのは、中国景気減速そのものではなく、それを材料に市場が不安定な動きをしていたことである。市場が安定すればFRBの懸念も和らぐ。だからこそ、前回あった「世界経済・金融市場の不安定が米景気に与える影響や懸念」云々の文言をあっさりと削除したのである。
中国景気の減速は依然として続いている。新興国を巡る経済・金融の不安はいまだ絶えない。状況はまったく変わっていないにもかかわらず、株式相場はここまで戻ってきた。何か材料を反映して株価が動いていると言うより、株価変動自体が市場心理に影響を与えてそれが市場のボラティリティを高めただけである。市場が安定化に向かえば市場心理も落ち着く。ファンダメンタルズは何もかわってないにもかかわらず、である。

FOMC声明を受けた米国株式市場は、早期の利上げ観測が意識され、下げに転じる場面があった。ただ売り一巡後は持ち直し、この日の高値圏で終えた。FOMCを受けたマーケットのリアクションは、株高、金利上昇、ドル高である。素直に利上げを織り込んだ、という捉え方でいいだろう。ざっくり言えば、「12月利上げ」に向けて市場は覚悟を決めたということである。

注目したいのはナスダック総合株価指数である。同指数も反発し、65.545ポイント高の5095.690と、8月10日以来の高値で終えた。

ナスダック指数のチャートを見ると、窓を空けて上放れてちいさなローソク足の陽線が三つ並んでいた。これは「三ツ星」と言われ、売りと買いの勢いが拮抗していることを表し、次への展開に向けてパワーを貯めている状態である。まさにFOMCという重要イベント待ちで止め置かれていたわけだ。それが昨日は一気に解き放たれて大幅上昇、高値引けである。これは相当強い一段高のサインだ。良く見るとこれら小さな星はすべて陽線で、「上放れの赤並び」といわれる珍しい強気サインでもある。このところはグーグル、アマゾン、マイクロソフト、アップルなどハイテク企業の好決算が目立つ。業績の裏付けがあっての好チャートというわけだ。

利上げ観測でにわかに勢いついた金融セクターと、テクノロジーセクターが牽引する形で米国株は年末に向けて高値を試しにいくだろう。

無論、日本株も米国株上昇がもたらすリスクオン地合いのなか、年初来高値付近まで戻りを辿る展開となろう。

目先はなんと言っても最大の焦点である明日の日銀金融政策決定会合待ちで、その前に今日は中国の5中全会が閉幕する。発表されるコミュニケで13次5か年計画の大枠は示されるが、具体的なGDP成長率の目標などは来年3月の全人代まで待たなくてはならない。今晩、米国では7-9月期のGDP速報値が発表になるが、弱い数字が見込まれている。GDPがネガティブ・サプライズとなった場合、せっかく固まってきた「12月利上げ」に向けての市場の覚悟が揺り戻されるリスクもあるので注意が必要である。

日経平均は75日線が200日線を下回るデッドクロスとなって株価の頭が抑えられた格好だ。まるで、「19000円台はダメ!」とバッテンをつけられているように見える。ここを抜くのは少しタフかもしれない。しかし、この先、日米ともに決算発表が進み、堅調な業績が確認できれば自然と抜けていくだろう。

今日の日本株相場は朝高のあと円高に呼応して伸び悩んでいる。9月の鉱工業生産指数速報が前月比1.0%上昇と市場予想(前月比0.5%低下)に反して上昇したことを受けて、円買い・ドル売りが進んだ。日銀の追加緩和観測が後退したことが背景である。と、いうことは、短期的な「綾」の範囲である。鉱工業生産指数の上昇、というポジティブなニュースを、追加緩和観測の後退に結び付けてネガティブに捉えるような、ひねくれたリアクションは無視しておけばいい。グッドニューズ・イズ・グッドニューズ - 市場は素直にそう捉えるステージに入りつつある。何よりも、昨日のFOMCを受けた米国市場のリアクションがそれを雄弁に物語っていると思われる。

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