5月6日(木)のマーケットは大荒れとなり、たった1日で、米ドル/円が6円、ユーロ/円が10円も暴落するという大パニックが起こりました。

 しかし、それからわずか2営業日後には、米ドル/円、ユーロ/円ともに、ほぼパニック前の水準へと戻ってきました。

 こんなふうに、あっけなく元に戻るのは「パニック相場」の典型的パターンでもあるのです。

「パニック・アナロジー」なら
ユーロは6月に110円割れ!?

 今回以上の「パニック相場」が起こったのは2008年10月24日で、たった1日で、米ドル/円は98円から91円割れへ、ユーロ/円は127円から114円割れへの大暴落となったのです。

 おりしも、個人投資家のFXブームが拡大している最中で起こった出来事だっただけに、「FX史上最悪のパニック」となってしまいました。

 ところが、この「パニック相場」はあっけなく元どおりになったのです。米ドル/円は、今回と同じように、パニックの2営業日後に98円台を回復しました。

 パニックは、いわゆる「セリング・クライマックス」となりました。

 あっという間に元に戻ってしまうといった意味では、今回の「5・6パニック」も、そのパターンどおりの展開になったわけです。

 2008年10月24日と今回でここまで似ているのだから、この先も似た展開が続く可能性はあります。

 2008年の「10・24パニック」後の展開は、はたしてどうだったのでしょうか?

 パニックからわずか2営業日で、元の水準である98円台を回復した米ドル/円でしたが、早くも100円で頭打ちとなりました。

 そしてしばらく一進一退が続いたものの、パニックから約1ヵ月半後の2008年12月中旬に、再び安値更新となったのです。

 さて、今回の「パニック相場」の主役はユーロでしょう。ユーロは5月6日(木)に、たった1日で120円から110円へと暴落したのですが、その2営業日後である5月10日(月)には120円台を回復し、一時は122円まで反発しました。

 「パニック相場」のアナロジー(類似性)からすると、この先のユーロの反発は限られ、1ヵ月半後の6月後半には、この間の安値である110円を割り込んでいくことになるわけですが、果たしてどうでしょうか?

 「パニック相場」のアナロジーがこの先も続くならば、ユーロがまだ底を打っていないということになり、アナロジーがこの先崩れると、ユーロ安がすでに終わったということになります。

 それを見極めるカギは、今回のユーロ危機のきっかけとなっているギリシャ問題を、どの程度深刻に受け止めるかということにあると思います。

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