株式レポート
10月30日 17時9分
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日銀は追加金融緩和見送りも補正予算報道等で日経平均は上昇 - 市況概況

  1. 概況

    本日の日経平均は147円高と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は概ね上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が小幅に下落したことを受け、日経平均は11円安の1万8924円で寄り付きました。金融政策決定会合の結果発表を前に、前場は前日終値を挟んで方向感が出ずに揉み合い推移となり、日経平均は前場を28円安で終えました。お昼休みの時間帯に日銀が金融政策の現状維持を発表すると、120円90銭程度で推移していたドル円が一時120円30銭程度まで円高に振れ、日経先物も一時1万8700円近くまで急落しました。こうしたなか後場の日経平均は85円安で寄りつくと、一時150円超まで下げ幅を広げました。ただ、買い戻しが入り、日経平均はすぐにプラス圏に浮上しました。13時過ぎに、政府が補正予算を総額3兆円超で調整し、7-9月期のGDPの結果発表次第では金額の上積みも検討していると報じられたこともあってか、ドル円が一時121円50銭近くまで円安に振れるとともに、日経平均は大きく上げ幅を広げ、1万9200円台を回復しました。大引けにかけて日経平均はやや上げ幅を縮めたものの、1万9000円台を保っての大引けとなり、3日続伸しました。

  2. 個別銘柄動向等

    スマートフォン向けゲームの配信が来年3月に遅れると発表し、昨日急落した任天堂(7974)は本日も7%安と大幅に続落しました。4-9月期の営業利益が1849億円と前年同期の赤字から黒字転換したソニー(6758)は、電池事業で減損を検討していることが嫌気されて安く寄り付きましたがまもなくプラスに転じると、終値では0.4%高となりました。昨日の決算発表で通期の経常利益予想を従来の3700億円から2500億円に大幅下方修正した新日鉄住金(5401)は一時3.6%安となりましたが持ち直し、終値では0.5%高となりました。また、通期の営業利益予想を従来の1600億円から1100億円に引き下げた京セラ(6971)は7%の大幅安となっています。オリエンタルランド(4661)は4-9月期の営業利益が521億円と前年同期比3.4%の減益となったものの、市場予想を上回ったことで6.9%高と大きく買われました。中国で一人っ子政策の撤廃が決定されたことを受け、今後の需要拡大が期待されてユニ・チャーム(8113)やピジョン(7956)がそれぞれ大きく上昇しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】

日銀は金融政策の現状維持を決定しました。発表直後はドル円が円高に振れ、日経平均先物も急落しましたが、その後どちらも急反発とやや意外な結果となりました。今週は連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀の金融政策決定会合という2つの大きなイベントを、大きな波乱なく通過しました。来週は日本企業の決算発表が多数行われるとともに、ISM景況感指数や雇用統計など米国の重要経済指標の発表も行われます。日本企業の業績動向と米国の利上げ時期をめぐって、引き続き大変重要な週となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)

【中国株式市場】
上海総合指数が小幅反落

  1. 概況

    本日の上海総合指数は前日比4ポイント安(0.1%)の3,382ポイントと小幅に反落しました(年初来で4.6%高の水準)。中国の創業板指数(日本のマザーズ市場に相当)も7ポイント安(0.3%)の2,478ポイントと小幅に反落しました。この間、香港のハンセン指数は日本時間16時時点で112ポイント安の2万2707ポイントと続落して取引されています。

    中国市場では、小幅に反落して寄り付いた上海総合指数は、さえない四半期決算を受けて石油株を中心とする売りが膨らみ、一時40ポイントまで売られる場面もありました。もっとも、前日に閉幕した中国共産党の第18期中央委員会第5回全体会議(五中全会)で「一人っ子政策」撤廃が決定されたことが好感され、ベビー用品関連株への買いが集まり、下げ幅を徐々に縮め、プラスに転じて堅調な展開となりました。ただ、引けにかけて、再びマイナス圏に沈んで、結局小幅安で取引を終えました。

    香港市場では、昨日の米国株安の流れに加え、米国の年内利上げの可能性の高まりも嫌気され、ハンセン指数は続落して始まりました。本土市場の反発が支援材料となり、一時プラスに転じる場面もありましたが、反発は一時的に留まり、軟調が続いています。日本時間16時時点で、公益事業株、商工業株指数、金融事業株や不動産株指数などが軒並み小幅に下落しています。

  2. 個別銘柄動向等

    香港市場では、昨日引け後に発表された7-9月期の売上高が市場予想を大幅に下回った中国石油天然気(ペトロチャイナ、石油・ガス等、0857)が大幅に下落しているほか、中国海洋石油(CNOOC、石油・ガス等、0883)や中国神華能源(チャイナ・シェンファ・エネルギー、石油・ガス等、1088)などの石油株もつれ安となっています。また、一昨日発表された業績悪化が引き続き嫌気され、中国人寿保険(チャイナライフインシュアランス、保険、2628)が1%超値下がりしています。更に、米国の年内の利上げ開始への警戒から、恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド・デベロップメント、不動産管理・開発、0012)などの香港系不動産株が続落しています。

    反面、五中全会で中国の「一人っ子政策」の廃止が決定されたことを受け、中国蒙牛乳業(チャイナ・メンニウ、食品、2319)や、雅士利国際(ヤシリ・インターナショナル・ホールディングス、食品、1230)などの粉ミルク関連の銘柄が大幅に上昇しています。また、五中全会の成長方針を受けて、「一帯一路」と呼ばれるシルクロード戦略を進めるとの見方が広がり、中国鉄建(鉄道メーカー、1186)が2%超上昇しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】

週末の1日に中国政府作成の10月分製造業PMI及び週明け2日に財新(Caixin)中国製造業PMIの発表があり、前回と比べて改善がみられるかがポイントとなり、来週の本土市場と香港市場はこれらを睨みながらのスタートとなりそうです。また、五中全会の決定事項の概要における「一人っ子政策」の撤廃や5カ年計画の方針などが好感されるなか、恩恵を受けやすいとみられる銘柄が引き続き物色されるかもしれません。

更に、本日引け後に中国工商銀行(商業銀行、1398)と金沙中国(サンズ・チャイナ、ホテル・レストラン、1928)、来週の2日に匯豐控股(HSBCホールディングス、商業銀行、0005)、そして6日に聯想集団(レノボ・グループ、コンピュータ・周辺機器、0992)などの決算発表が予定されており、それぞれの市場予想を超えるかが注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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