株式レポート
11月2日 14時31分
マネックス証券

中国株 軟調のスタートか 匯豐控股などの企業決算に注目 - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―中国株 4週ぶりに反落 五中全会の政策期待も利益確定売りが優勢―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は下落しました。ハンセン指数は週間で2.2%安の2万2640ポイントと5週ぶりに下落し、上海総合指数は週間で0.9%安の3,382ポイントと4週ぶりに下落しました。

先週の上海総合指数は五中全会での政策発表に期待する買いと利益確定売りが交錯する中で、節目の3,400を挟んで揉み合う展開となり、小動きの日が続きました。上海総合指数は結局3,400ポイントを維持できず、小幅安で取引を終えました。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン

香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

香港市場では、百麗国際控股(ベル・インターナショナル・ホールディングス、繊維・アパレル、1880)は2015年3~8月期の純利益が前年同期比3.9%増の21億5810万元(約410億円)と発表したことが好感され、週間で6%超上昇しました。また、五中全会で中国の「一人っ子政策」の廃止が決定されたことを受け、中国蒙牛乳業(チャイナ・メンニウ、食品、2319)や、雅士利国際(ヤシリ・インターナショナル・ホールディングス、食品、1230)などの粉ミルク関連の銘柄が金曜日に大幅に上昇しました。

<下落>

7-9月期決算で純利益が74%減少したことを発表した中国人寿保険(チャイナライフインシュアランス、保険、2628)が週間で8%超下落しました。また、通貨を米ドルに連動(ペッグ)しているため金融政策面で米国に追随するかたちとなる香港では、年内の米利上げ開始確率が高まる中、調達資金コスト増への懸念から長江和記実業(Hutchison Holdings Ltd、不動産管理・開発、0001)や、新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティ、不動産管理・開発、0016)、恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド・デベロップメント、不動産管理・開発、0012)などの香港系の不動産会社が軒並み軟調に推移しています。更に、中国神華能源(チャイナ・シェンファ・エネルギー、石油・ガス等、1088)も週間で5%近く下落しました。

先週の主な経済指標

特に重要な指標発表はありません。

今週の主な経済指標

11月1日 中国製造業PMI 10月 49.8 市場予想 50.0 前月 49.8

10月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.8と前月から横ばいとなったものの、市場予想に届きませんでした。税雑行PMIは一段と悪化とはならなかったものの、好不況の節目である50を下回ったことから製造業の景況感は依然として楽観的とはいえず、中国人民銀行による緩和的な金融政策や政府による積極的な財政政策が継続すると考えられます。

内訳をみると、新規受注(50.2→50.3)が小幅に改善した一方、生産(52.3→52.2)や雇用(47.9→47.8)などが僅かに悪化しました。

11月2日 財新(Caixin)中国製造業PMI 10月 48.3 市場予想 47.6 前月 47.2

10月の財新(Caixin)中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は48.3となり、前月の47.2及び市場予想の47.6を上回りました。但し、昨日発表された中国公式のPMIと共に依然として50を下回ったことから、政府による追加財政刺激および人民銀(中央銀行)による追加緩和が継続すると考えられます。

内訳をみると、新規受注(46.4→48.0)や海外新規受注(44.6→50.7)、生産(45.8→48.1)がそれぞれ改善した一方、輸入価格(44.6→42.6)が一段と悪化しました。

マーケットビュー
―中国株 軟調のスタートか 匯豐控股などの企業決算に注目―

先週の本土市場では上海総合指数が4週間ぶりに反落しました。週前半は前週末に中国人民銀行が追加金融緩和を発表したことや、IMFが中国の人民元を特別引き出し権(SDR)通貨に採用する方針を固めたことに加え、五中全会が開幕したことでの政策期待などが支援材料となり堅調でした。しかし、28日に利益確定売りが膨らみ大幅反落となると、週後半は節目の3,400ポイントを挟んで揉み合う展開となりました。上海総合指数は週間で0.9%安となっています。

先週の香港市場ではハンセン指数が週5週ぶりに反落しました。反落スタートとなったハンセン指数は27日に小幅に反発したものの、28日には米FOMCの結果発表を前に慎重姿勢が強まるなか、本土市場の反落も重石となり節目の2万3000ポイントを割り込みました。週後半も一部大型企業の業績悪化などもあって軟調な展開が続いたハンセン指数は週間で2.2%安となっています。

今週の本土市場と香港市場は、昨日発表された10月の中国製造業PMIは49.8と前月から横ばいとなったものの市場予想に届かなかったことが嫌気され、ともに下落して寄り付き軟調な推移となっています。しかし、中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC、日本の金融庁に相当)が先週末にインサイダー取引などの18件の違法案件を公表したことで市場の健全性や透明性が高まるとの期待が投資家心理の一定の下支えとなりそうです。また、前日の冴えない中国製造業PMIに加え、本日の10月の財新(Caixin)中国製造業PMIも依然として好不況の分かれ目である50を下回ったままであることから、追加の緩和期待も高まりそうで下値は限定的とみられます。

こうしたなか五中全会の決定事項の概要における「一人っ子政策」政策の撤廃や、国有企業改革、環境保護、農業近代化、医療改革、都市化等の5カ年計画の方針などが好感され恩恵を受けやすいとみられる銘柄が引き続き物色されそうです。今週は2日の匯豐控股(HSBCホールディングス、商業銀行、0005)や、6日の聯想集団(レノボ・グループ、コンピュータ・周辺機器、0992)などの決算発表が予定されています。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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