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「夫婦別姓」「女性のみ6ヵ月再婚禁止」論議に覚える違和感(上)

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第136回】 2015年11月7日
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 のっけから脱線するようで恐縮だが、どうにも違和感を覚えるようなできごとが三件も続いたので、そのお話を。ひとつは、野田聖子前総務会長(自民党)が出演したBS番組での発言だ。

 野田サンと言えば日本初の女性総理との呼び声も高く、ご本人も「一年生議員のときから総理を目指している」と宣うが、番組での発言は本当にこんな人を総理にして大丈夫なのか、と首を傾げてしまうものだった。

 南シナ海における中国の人口島建設について、である。のっけから長い抜粋になるが、野田サンの発言を起こしてみた。

司会 「基本政策の外交、安保。そこをどうやって詰めていくかはこれから非常に大事になると思うんですけどね、たとえばいまの南シナ海の中国が人工島を埋め立てしていて、それに対しアメリカが軍艦を出していると。ああいうものに対して、日本はどう向きあうのか、というところで言うと、直近のもので言うとどういうふうな見解をお持ちですか?」

野田 「今回、安倍総理が久しぶりに日中韓……、日中、日韓の対話ができたことを本当に嬉しく思っています。日本の場合は、これからの日本の将来を考えると、これだけ労働力がなくなるということは、やはり力をもってして外交を進めていくという余力はありません。ですから対話に次ぐ対話。やはり何よりも開発技術をはじめとして経済力も勝っているわけですから、そこを武器として取り組んでいかなければならないんじゃないか。中国も韓国も、私たちと同様に経済に不安を抱えていますよね。そこがひとつの突破口となるわけですから、それについて南沙の、南沙の問題を棚上げにするくらいの活発な経済政策のやり取りとか、お互いの、目先のメリットにつながるようなバイ(bilateral)の、二国間の交渉とかを、やっぱりこれをやっていかなければいけない、大人の知恵として」

司会 「経済の関係が深まれば、じゃあ中国が埋め立てを止めてくれるかというと、なかなかそうはいかないんじゃないですか?」

野田 「そこは直接日本には関係ありません。あまり、そんなにコミットすることはないわけで、むしろ日本ができることは、やはりいま申し上げたような貿易、または人的交流、科学技術の供与とか、そういう得意分野で、やはり中国との溝を埋めていくことが、いまいちばん最初に求められていることだろうと思っています。

 いま確かに安全保障法制できたけれども、まだまだ不完全ですし、国民にとっても一〇〇%応援していただける環境にないわけです。このままやっぱり、自衛隊の人に無理やり何かをさせることは、逆に今後の自衛隊の動きを阻むことになりますから、それとリンクさせずに、ここはやっぱり冷静に、南沙に何かあっても、それは日本に対してのメッセージではない、日本は日本として独自路線で対中国、対韓国との、やっぱり日本らしい外交をしていくことに徹するべきだと思います」

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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