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11月9日 13時40分
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中国株 IPOの再開でも堅調なスタートか 主要経済指標と企業決算に注目 - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―中国株 大幅上昇 第13次5カ年計画の草案や「深港通」観測などを好感―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は大幅に上昇しました。ハンセン指数は週間で1.0%高の2万2867ポイントと前週から反発し、上海総合指数は週間で6.1%高の3,590ポイントと大幅に上昇しました。

先週の上海総合指数は利益確定売りが先行したものの、第13次5カ年計画草案の公表や「深港通」(深セン・香港ストックコネクト)の年内導入観測の浮上でリスクオンムードが強まり、投資家心理が改善、一気に節目の3,500ポイントを回復して大幅高で取引を終えました。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン





香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング





<上昇>

香港市場では、根強い深センとの証券相互取引解禁の思惑を手かがりに、香港交易及結算所(香港証券取、0388)が週間で4%超上昇しました。また、値嵩株の騰訊(テンセント・ホールディングス、インターネットソフト、0700)や中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、2318)も大幅に上昇しました。更に、中国系の不動産の華潤置地(チャイナ・リソーシズランド、不動産管理・開発、1109)と中国海外発展(チャイナ・オーバーシ-ズランド、不動産管理・開発、0688)も大きく買われました。

<下落>

先々週の「一人っ子政策」政策の撤廃によって大きく上昇した食品大手の中国蒙牛乳業(チャイナ・メンニウ、2319)は週間で9%近く下落しました。また、ディフェンシブとされる康師傅控股(ティンイー、食品、0322)や中国旺旺控股(ワンワン・ホールディング、食品、0151)なども軟調に推移しました。さらに、通貨を米ドルに連動(ペッグ)しているため金融政策面で米国に追随するかたちとなる香港では、年内の米利上げ開始確率が高まる中、調達資金コスト増への懸念から長江和記実業(Hutchison Holdings Ltd、不動産管理・開発、0001)や、新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティ、不動産管理・開発、0016)、恒基兆業地産(ヘンダーソン・ランド・デベロップメント、不動産管理・開発、0012)などの香港系の不動産会社も売られました。

先週の主な経済指標

11月1日 中国製造業PMI 10月 49.8 市場予想 50.0 前月 49.8

10月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.8と前月から横ばいとなったものの、市場予想に届きませんでした。製造業PMIは一段の悪化とはならなかったものの、好不況の節目である50を下回ったことから製造業の景況感は依然として楽観的とはいえず、中国人民銀行による緩和的な金融政策や政府による積極的な財政政策が継続すると考えられます。

内訳をみると、新規受注(50.2→50.3)が小幅に改善した一方、生産(52.3→52.2)や雇用(47.9→47.8)などが僅かに悪化しました。

11月2日 財新(Caixin)中国製造業PMI 10月 48.3 市場予想 47.6 前月 47.2

10月の財新(Caixin)中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は48.3となり、前月の47.2及び市場予想の47.6を上回りました。但し、昨日発表された中国公式のPMIと共に依然として50を下回ったことから、政府による追加財政刺激および人民銀(中央銀行)による追加緩和が継続すると考えられます。

内訳をみると、新規受注(46.4→48.0)や海外新規受注(44.6→50.7)、生産(45.8→48.1)がそれぞれ改善した一方、輸入価格(44.6→42.6)が一段と悪化しました。

今週の主な経済指標

11月8日 中国貿易収支 10月 616.4億ドル 市場予想 +620.0億ドル、前回 +603.4 億ドル
輸出 10月 -6.9% 市場予想 -3.2%、前回 -3.7%
輸入 10月 -18.8% 市場予想 -15.2%、前回 -20.4%

10月の中国の輸出は前年比6.9%の減少と、3.2%減の市場予想を下回りました。また、10月の輸入は15.2%減を見込んでいた市場予想に届かず、前年比18.8%減と減少率が前月から拡大しました。こうしたなか10月の貿易収支は前月から黒字額が更に増加し、616.4億ドルの黒字となりました。

輸出については、「中国輸出金額の推移 地域別」のグラフを見ると、各地域向けの輸出が軒並み減少傾向にあります。特に、米国向けの輸出(9月の166→10月の156)や、アジア向けの輸出(9月の214→10月の186)の減少が目立ちました。輸入については、前年比が前月より改善したものの市場予想に届かなかった原因としては、弱い内需、鉄鉱石をはじめとする原材料の価格の低迷などが挙げられます。


11月10日 生産者物価(PPI、前年比) 10月 市場予想 -5.9%、前回 -5.9%

PPIの先行指標である中国製造業PMIの輸入価格指数をみると、前月の48.1から47.5に小幅悪化したため、10月のPPI は-5.9%と前月から横ばいと見込まれています。

11月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 10月 市場予想 +1.5%、前回 +1.6%

一部食料関連価格が下落したことを受けて、10月のCPIは前年比+1.5%の上昇と予想されています。

11月11日 固定資産投資(前年比) 1-10月 市場予想 +10.2%、前回 +10.3%

固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。不動産や鉄道関連の固定資産投資額の減少傾向が継続する限り、製造業、建設業などの固定資産投資がほぼ横ばいとしても全体の固定資産投資額は伸び悩む可能性が高いと思われます。1-10月の固定資産投資額は前年比10.2%増と見込まれています。

11月11日 鉱工業生産(前年比) 10月 市場予想 +5.8%、前回 +5.7%

10月の中国製造業PMIや内訳の生産指数が前月からほぼ横ばいとなったなか、10月の鉱工業生産は前年比5.8%増と見込まれています。

マーケットビュー
―中国株 IPOの再開でも堅調なスタートか 主要経済指標と企業決算に注目―

先週の本土市場では上海総合指数が週間で6.1%高となりました。週前半は国家統計局が発表した製造業PMIの悪化を嫌気して軟調となり、上海総合指数は3,300ポイント近辺まで下落しました。ただ、上海総合指数は4日に第13次5カ年計画草案の公表や「深港通」(深セン・香港ストックコネクト)の年内導入観測の浮上で4%を超える大幅高となると、5日には中台首脳会談の実施が決まったことも好感されほぼ2カ月半ぶりに節目の3500ポイントを回復しました。6日も工業情報化省による産業振興策「中国製造2025」でIT(情報技術)など新興産業を強化する方針を受けて2%近い上昇となった上海総合指数は一時3,600ポイントに迫る場面もみられました。

先月30日の金曜日の引け後に、中国証券監督管理委員会(証監会)は年内にも、6月の相場急落に対する株価対策の一環として7月上旬から凍結していた中国株式市場での新規株式公開(IPO)を再開することを改めて発表しました。また、IPO申請のための資金凍結制度が撤廃されたため需給面へのマイナス影響は限定的とみられ、むしろ「市場が正常化しつつある」との認識が広がり、週明けの上海総合指数は堅調な展開となっています。但し、先週の上海総合指数が6%超上昇したことがあって、利益確定売りに押される可能性にも要注意です。こうしたなか今週は10日の物価指数や、11日の鉱工業生産と固定資産投資などの重要な経済指標を睨みながらの展開となりそうです。

先週の香港市場ではハンセン指数が週間で1%高となりました。週初は中国の製造業PMIの悪化が嫌気され冴えない展開となったものの、欧米株の上昇が好感され3日に反発すると、4日には中国の次期5カ年計画の草案が発表されたことを受けて政策期待が高まりハンセン指数は節目の2万3000ポイントを回復しました。ただ、週後半は12月の米利上げ観測が高まったことや週末の米雇用統計の発表を控えて様子見姿勢が強まって軟調となり、ハンセン指数は2万3000ポイントを割り込んで取引を終えています。

先週末に発表された10月の米雇用統計を受けてFRBによる年内利上げへの警戒感が高まっていることから、今週のハンセン指数は軟調なスタートが予想されます。また、中国のIPO再開も心理面の重石となりそうですが、中国の経済指標が市場予想を下回った場合には一段の追加金融緩和期待も高まりそうで、それが反発のきっかけとなる可能性もありそうです。

なお、香港市場では10日に騰訊(テンセント・ホールディングス、0700)が、そして11日に港交易及結算所(香港証券取、0388)が、さらに12日に聯想集団(レノボ・グループ、0992)などが決算を発表する予定です。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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