当たり障りのない退職理由は
最初から見抜かれる

ネガティブな退職理由で落ちる人、受かる人の境界線本当の退職理由は、意外と正直に伝えた方が内定に近づきます

 本当の退職理由を面接で話してよいものか。そんな迷いを持つ転職希望者がたくさんいます。退職理由はたいてい、ネガティブなものだからです。

 本番の面接ではなく人材紹介会社の面談ですら、最初から本当の退職理由を教えてくれる候補者はあまりいません。

「次のステップに進みたいからです」

 初対面ということもあり、そんな当たり障りのないことをいう人が多いものです。しかし、私たちはその答えを信用していません。面談のやり取りを通じて信頼関係の構築に努めた上で、頃合いを見て問い直します。

「次のステップに進みたいという退職理由でしたが、客観的にみて現在の職場でとてもご活躍の様子ですし、ちょっと腑に落ちません。他に本当の理由はないでしょうか」

 ここまでくると、だいたい「いや、実は……」と本当の理由を教えてくれます。で、教えてくれた本当の退職理由は、別に隠すようなものではないことがほとんどです。

「新しくきた上司とまったくそりが合わなくて……」
 「失敗が2回続き、仕事を干されてしまって……」

 こうした退職理由を伝えるのに躊躇する必要はなく、そのまま伝えて構いません。ただし、言い方には工夫をする必要があります。もちろん「上司を殴って会社にいられなくなった」といった、一線を超えた理由がアウトになることは言うまでもありません。