「上司と上司が真っ向から対立して、部下である自分は板挟み…。あちらを立てれば、こちらが立たず。困ったなあ…」

 ビジネスマンである皆さんもそんな経験をしたことがきっとあることでしょう。今回は、そんな上司同士の意見の対立に板挟みになりながらも、上手く業務を遂行する方法をご紹介しましょう。

まずは“自然体”で
上司との距離を縮めよう

 バーゲンセールの時期になり、総合スーパー・Mマート下町店では販売戦略会議が開かれました。店長である和田さんは、在庫を減らし、今期の売上高をとにかく確保することを目標に掲げ、値引きも売り場主任の判断に任せるという方針を打ち出しました。

 ところが、Mマート本店の婦人服部門の部長である岡江さんはそれに真っ向から反対。ブランドイメージを大切にすることが大事で、値引きは慎重に行うべきと主張しています。会議は長時間にわたったものの両者とも譲らず、結局、会議の内容を踏まえて婦人服売り場のホープでもある矢熊主任が具体的な企画をまとめることになりました。

 矢熊主任は、とまどいながらも、なんとか企画を立てるためのヒントを得ようと、書類鞄を持って本社に帰ろうとしている岡江部長を呼び止めました。


矢熊「岡江部長、ちょっとよろしいですか」

岡江「あぁ、矢熊さん、お疲れさま」

矢熊「お疲れさまでした」

岡江「矢熊さん、大変ね」

矢熊「いや、まあ……。しかし、さっきの岡江部長のプレゼンテーション、鳥肌、立ちましたよ」

岡江「どうしたのよ、いきなりそんなこと言って」

矢熊「いや、我が社のブランド戦略について、今、あそこまで迫力を持って語れる人は、岡江部長をおいてほかにいらっしゃらないと思います」

岡江「そんなこと、ないわよ」