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増資に3会長退任でも収まらないみずほの不安

週刊ダイヤモンド編集部
2010年5月24日
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5月15日、みずほフィナンシャルグループは、8000億円規模の増資を発表。併せて懸案だった3会長の退任も発表して「変革」を前面に打ち出した。他メガバンクに比べて劣っている資本力や収益力で巻き返しを図る構えで、その姿勢はあくまで強気だ。しかし一方で、危うさも透けて見える。

 「こんな環境下で、儲かる秘策があるなら教えてほしい」

 あるメガバンク幹部は、5月15日にみずほフィナンシャルグループ(FG)が発表した2010年3月期決算を見てこうつぶやいた。

 なかでも幹部の目を引いたのは、11年3月期の業績予想。傘下銀行3行合算ベースの最終損益は3割増の4070億円、連結ベースに至っては8割増の4300億円を見込み、他のメガバンクを圧倒していたからだ。

 みずほは前期、本業の儲けを示すコア業務純益で、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループに大きく水をあけられ、3メガバンクのなかで最下位。にもかかわらず、今期は最終損益で2グループを逆転して一気にトップに立つというのだからこの幹部が驚くのも無理はない(下表参照)。

 前期決算が赤字から黒字に転じたことで、税率の変更など各社各様に前提条件が違うことも確かにある。だが、不良債権処理に伴う与信関係費用の見通しを見れば、こちらは同じ環境下でありながらみずほの低さは際立っており、「見通しが甘いのではないか」と疑問視する関係者は少なくない。

 これに対しみずほ側は、前期、日本航空が会社更生法の適用を申請したことで与信関係費用がふくらんだほか、クレジットデリバティブなどのヘッジ取引で、1216億円の損失を被った、こうした特殊要因が今期なければ、決して無理な数字ではないと説明する。

 しかし、銀行を取り巻く環境は依然として厳しいまま。企業の資金需要は低迷し、昨年10月以降、貸出残高は減速、貸出利ザヤの低下傾向も顕著だ。また中長期金利の上昇も期待できず、本業で収益を上げていくのは至難の業だ。

 それだけに、みずほの業績予想は「きわめてチャレンジングな数字」(メガバンク幹部)と映るが、みずほにはどうしても実現させなければならない事情があった。

2兆円必要といわれても授権枠の拡大は実施せず

 みずほは決算発表と同時に、懸案だった3会長の退任と、8000億円規模の普通株増資を発表。この増資に関連して、金融関係者からは驚きの声が上がった。

 関係者のあいだでは、「増資に合わせて定款を変更して普通株の授権枠の拡大を図るのではないか」との見方がもっぱらだった。それに対するみずほの答えが、「定時株主総会に発行可能株式総数の増加に関する議案を付議する予定はない」というものだったからだ。

 自己資本をめぐる国際的な規制強化の流れのなかで、普通株を中心とする狭義の中核的自己資本、コアTier1の充実が待ったなしの情勢。今回の増資によって、その一つの基準とされるコアTier1比率4%は、どうにか満たすことができる。

 とはいえ、6%台後半の三菱UFJ、5%台後半の三井住友と比べれば明らかに周回遅れ。「国際リーグに入れるのはせいぜい銀行二つに野村證券くらい」(金融庁幹部)といわれるなかではいかにも厳しく、「2兆円は必要」とされてきたという背景がある。

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